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「補欠の繰り上げ」を視野に入れた戦略を
募集人数が100名であった場合、上位100人の中に入れば正規合格者として合格通知が届き、101人目からは補欠の番号が振られていきます。この番号ももちろん、学力試験の点数と面接・小論文での評価を踏まえて振られるものです。
番号が若い方から順に繰り上がっていくので、普段から補欠になることを想定し、若い番号を与えられることを目指して、小論文や面接の練習に励む必要があるでしょう。
学力試験の得点だけで逃げ切れるようであればいいのですが、なかなかそうはいかないためです。
筆者の運営する医学部専門予備校では、受験前から、補欠の繰り上げを視野に入れて戦略を立てています。正規合格者は半分もいないのですが、補欠の合格で引き上げて、5年平均合格率82%という数字を叩き出しています。昨年度に限って言えば、学科試験が通った生徒の医学部進学率は100%です。他予備校とは違う策を講じ、差をつけているのです。
ただやはり、全員が予備校からの提案通りに対策してくれるわけではありません。
頭のいい生徒であるからこそ、ともいえますが、自身の意見が固すぎることがあるのです。これには親御さんの影響もあります。「面接なんてほとんど関係ないよ。勉強さえすればいいんだから」と言い聞かせられてきたことで、予備校の方針を信用できなくなってしまうのです。
筆者の運営する医学部受験専門予備校では1回70分、年間で20回以上の面接・小論文の授業を組んでいますが、それでも「面接は人並みに話せれば大丈夫。医学部は学力の点数が高ければ問題ない」というバイアスがかかってしまった生徒を指導するのは大変です。
ビデオを撮り、自らの発言や表情を見せ、面接官の立場に立たせることでようやく理解してもらえます。
「私も面接官をしたことはありますが、15分程度で人のことなんて分かりませんよね」とおっしゃる親御さんもいらっしゃいます。ただ、質問を駆使してしっかりと分析・評価をされる先生方もいるので、事前に準備するに越したことはありません。
実際に、筆者の運営する予備校に通う受験生の中に、いわゆる女子御三家に通う生徒がいました。彼女は学科試験での得点はしっかり取るタイプでしたが、アドバイスは日頃からあまり聞いてくれませんでした。
そして、ある私立大学での面接の際に面接官と“議論”をしてしまったのです。本来ならば10~15分で終わるところを、質問に対し「でも……」「それは譲れないので……」と、彼女にとって『普通に』答えたため30分も面接時間がかかってしまいました。
結果として、おそらく合格が回ってこないであろう番号の補欠となってしまったのです。