孤独死した親族のゴミ屋敷で周囲から苦情…相続放棄予定だが、遺品整理は可能か?【司法書士が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

近年増加傾向にある「孤独死」そして「ゴミ屋敷」。亡くなった方に借金等の負債があれば、相続人は相続放棄することになりますが、その際、ゴミの片づけを含む遺品整理には十分な注意が求められます。どういうことでしょうか。多数の相続問題の解決の実績を持つ司法書士の近藤崇氏が解説します。

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独身の叔父が孤独死…相続放棄予定だが遺品整理したい

 相談内容 

 

先日警察から、叔父が自宅マンション室内で亡くなったとの連絡を受けました。

 

叔父は独身で、私をはじめとする数人の甥姪たちが相続人とのことです。

 

死後1ヵ月以上経過してから見つかったようで、死因は不明だそうです。介護等を受けずに自活しており、周囲との関りが薄かったこと、冬場で遺体の傷みが遅かったことも、発見が遅れた理由だと聞きました。


叔父のマンションは立ち入ることも困難なほどゴミが積み上がっているのですが、建物にエレベーターがなく、また、マンションの立地も高台にあり、道路も狭くトラックの立ち入りが難しいことから、遺品整理には100万程度かかると清掃業者にいわれました。

 

叔父には慢性的な持病があり、購入時の年齢的に団体信用生命保険に加入できなかったようで、まだそれなりの金額の住宅ローンも残っているようです。

 

相続放棄したいのですが、マンションの近隣から苦情があることから、遺品整理などをしたほうがいいのではと考えていますが、差し支えないでしょうか。

相続財産の処分に該当すれば、相続を承認したことに…

 回 答 

 

気密性の高い都市部の鉄筋コンクリート造のマンションでは、こうした事案は珍しくありません。


基本的には、亡くなった方の家庭裁判所の管轄での相続放棄の申述が基本路線となるでしょう。

 

相続放棄とは、相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がないことです。

 

借金しか残っていない場合や、プラスの財産よりもマイナスの財産が多い場合には、相続放棄をするのが一般的です。


相続放棄をする場合は「自己のために相続の開始があったことを知ったとき」から3ヵ月以内に相続放棄をしなければなりません。具体的には、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対し、申述書と添付書類(被相続人の住民票除票など)を提出します。

 

しかしながら、相続放棄しても負債から逃れても、相続人には次の順位の相続人が現れるまでの相続財産管理義務があるとされています。

 

相続放棄をした人は、相続放棄したあとも、その放棄により新たに相続人となった人が相続財産の管理を始めることができるまでは、その財産の管理を継続しなければなりません。

 

相続人全員が相続放棄をした場合には、家庭裁判所に相続財産管理人を選任してもらい、相続財産を引き継いでもらうしかありません。

 

ただしこの方法は、相続財産管理人となる弁護士や司法書士の費用の予納金を収める必要があるため、現実にはあまり使われていないのが現状です。

 

今回の場合、遺品整理が相続財産の「処分」に当たると判断されれば、相続を承認したとみなされてしまいます。

 

相続財産の処分かどうかは、裁判例などでも、処分の性質等を「総合的に勘案して判断」としかいえず、ケースバイケースです。

 

明らかに誰が見てもゴミというものであれば、処分をして問題ないでしょう。しかし、貴金属などについては、とくに昨今の金価格の高騰もあることから、扱いには注意が必要となります。

 

また最終的に相続放棄を選択した場合、当然ながら亡くなった方の銀行預金などは引き出すことができませんので、これらの遺品や残置物の撤去費用が掛かった場合でも、相続人が負担せざるを得ない状況となるでしょう。

 

当然ながら、不動産の処分、一戸建ての場合は解体などもできないことになります。
これらは不動産謄本上も権利変動や滅失が明らかになるのでとくに注意が必要です。

 

 

近藤 崇
司法書士法人近藤事務所 代表司法書士

 

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    司法書士法人近藤事務所 代表司法書士

    司法書士法人近藤事務所ウェブサイト:http://www.yokohama-isan.com/
    孤独死110番:http://www.yokohama-isan.com/kodokushi

    横浜市出身。横浜国立大学経営学部卒業。平成26年横浜市で司法書士事務所開設。平成30年に司法書士法人近藤事務所に法人化。

    取扱い業務は相続全般、ベンチャー企業の商業登記法務など。相続分野では「孤独死」や「独居死」などで、空き家となってしまう不動産の取扱いが年々増加している事から「孤独死110番」を開設し、相談にあたっている。

    著者紹介

    連載現場第一主義の司法書士がレクチャーする「相続まめ知識」

    本記事は、司法書士法人 近藤事務所が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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