株式市場の参加者の多くは寄り付き後30〜40分に集中
東京の株式市場が開いているのは、前場は午前9時〜11時半、後場は午後12時半〜15時です。しかし、市場が開いている間、ずっと取引をしている必要はありません。買った株を持ち続ける必要もありません。
というより、持ち続けないほうがよいのです。なぜなら、デイトレードの場合、株価の動きがよいのは主に午前の寄り付きから30〜40分程度だからです。
その理由は、多くの投資家が前場に集中して取引を行うため、朝の30〜40分に商いが集中するからです。この傾向は今後も続いていくと思います。したがって、デイトレードをするのであれば、前場のうちに買って決済までという運用が儲かる確率は高いのです。
具体的に、どのように動けばよいのかを説明しましょう。各種指標などから、日経平均がどう考えても高いだろうと思われる日は「買い」から入って、寄り付きから30〜40分で利益を確定します。
ケース・バイ・ケースですが、早ければ買付から5分、10分程度、最速なら1〜2分で利食いする場合もあります。デイトレードでは1%株価が上がったらすぐに利益確定するのが基本です。ただ、あまりに強い動きであれば、40分以上経っても持ち続けることもあります。とはいえ、デイトレード初心者の間は持ち続けるリスクを少なくするために、できるだけ早めに売却するよう心がけてください。
【こちらも読みたい】
日経平均との連動がポイント!/デイトレード初心者のための「銘柄選び」の基本
判断の精度を上げるには取引回数を重ねるしかない
なぜ30〜40分で利食ったほうがよいかというと、日経平均が高い日は寄り付きから30分程度の時間は、下落リスクが少ないからです。30〜40分経った時点で株価が上げ切れていなくて利益が出ていないときには、下げに転じる前に思い切って逃げてしまう(=売却する)ほうが安心です。だらだら保有していると、午前10時過ぎから前引け(午前11時半)にかけて下げていく流れに巻き込まれてしまうリスクが高くなります。
利益が出ていない状態でもとにかく手仕舞いするのか、それともまだ上がりそうと予想してあと少し待って利益を狙うのか。ここがデイトレードの肝となる部分で、高度な判断が要求されます。判断の精度を上げていくには、100本、200本とデイトレードの取引回数を重ねる中で、運用力を鍛えていくしかありません。
最も大事なことは、大きく損をしないこと。株価が動いていて参加者が多い朝の30分のうちに、確実に利食いする。あるいは、利益が出なければ早めの損切りで、大きな損を回避する。これがタイムトレードの最大のポイントです。
日経平均が明らかに安くなると予想される日は、「買い」ではなく、「信用売り(空売り)」が有効になります。「買い」から入るときと同様、寄り付きから30〜40分の間には買い戻すようにします。信用取引では売りも買いも差金決済が認められているので、短時間に同じ資金を使って複数回取引することも可能です。
ただし、信用取引の「空売り」は、買いから入る取引以上のリスクがありますから、デイトレードの現物買いや信用買いで利益を積み重ねていて、損切りもきちんとできるようになった人だけが行うようにしてください。
【こちらも読みたい】
ほとんどの人が間違っている!/株式の下降相場で収益を狙う「空売り」戦略のポイント