翌日にポジションを持ち越さない「デイトレード」
デイトレードとは、1日の間に反対決済まで行う取引手法のこと。「日計り取引」とも呼ばれていて、購入した銘柄はすべてその日に売却し、空売りの場合もその日のうちに買い戻す。翌日までポジションを持ち越さないのが基本です。
長期間保有して、その間に資産を大きく増やそうという長期トレードに比べると、細かく利益を積み重ねていくのが特徴です。やり方のコツさえつかめば、プロもアマもあまり関係なく稼げるので、会社員から専業デイトレーダーに職を変える人も増えているようです。
今までに数多くのトレーダーを見てきた経験から言うと、デイトレードは、コツコツと同じ作業を繰り返すのが得意で、研究熱心、また一度決めたルールを守れるという人に向いています。
稼ぐ力のあるデイトレーダーなら、もちろん資金力にもよりますが、波が来ているときには朝から10〜15本を仕込んで、儲けのチャンスを逃しません。買ってその日のうちに売却する。デイトレードの取引方法自体はシンプルです。
しかし、成功する人もいれば失敗する人もいます。その違いはどこにあるのか。まず最も大事なのは、仕掛けてよい株と手を出すべきでない株を間違えないこと。要するに、確実に儲けられる銘柄を選ぶことです。その上で、デイトレードでうまく儲けるための方法を自分なりに検討し、確立することです。
ここでは選ぶべき銘柄の全体像だけを説明しておきます。
●流れに乗っている銘柄(トレンドフォローの銘柄)
●人気に火が付いて上昇している銘柄
●業種や事業内容から人気化しやすい銘柄
●大衆が買いたくなる銘柄
儲ける方法は、デイトレードに慣れて稼げる自信がついたら、それぞれが利幅や損切りラインについて「マイルール」を決めればよいと思います。しかし最初のうちは、
①1%の上昇で利益確定、1%の下落で損切り
②前場(午前中)のみで手仕舞う
というルールでデイトレードをしてください。なお、トレードに参加するのは、初心者のうちは日経平均株価が上昇する日のみ。日経平均がどうなるか分からない日は様子見としておいたほうが安全です。
商いが活発なうちに「反対決済」まで行う理由
もう少し、デイトレードの手法について説明しましょう。できるだけ前場のうちに、利食うか損切りをして取引を手仕舞ったほうがよいのですが、それは午前中しか取引しないというデイトレーダーが多いためです。売り損ないを避けるためには、商いが活発なうちに反対決済までしておいたほうが安全です。
しかし、もし株価の上昇が続いている場合はどうしたらよいでしょう。一つは、利益を確定する金額を1%上昇から2〜5%程度まで引き上げること。また、翌日以降も上昇を続けると予想するのであれば、いったん決済した上で、翌日改めて買い注文を入れるのがお勧めです。
ただし、値幅制限いっぱいまで上昇し、ストップ高となった銘柄については、後場の最後の取引(大引け)時点の板情報を確認して、買い注文が残っている場合のみ翌日も買い注文を入れるようにします。ストップ高は、さらに翌日も上昇する可能性がある一方で、翌日は急落することも多々あるからです。