2022年1月分「機械受注」のデータ (※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供する「宅森昭吉のエコノミックレポート」の『経済指標解説』を転載したものです。

 

今回、季節調整替えで、1月分機械受注(除船電民需)前月比▲2.0%と5ヵ月ぶり減少

 

製造業・前月比▲4.8%と3ヵ月ぶりの減少、非製造業・前月比▲1.9%と2ヵ月ぶりの減少

 

3ヵ月移動平均が4ヵ月連続増加していることなどで「持ち直している」の判断は継続された

 

1~3月期見通し前期比は▲1.1%から▲0.5%に。2~3月分各月前月比▲1.3%で達成

 

 

●1月分機械受注(除く船舶電力の民需ベース、以下、除船電民需と表記)の前月比は▲2.0%と5ヵ月ぶりの減少になった(4ヵ月ぶりではない)。また、3ヵ月移動平均は前月比+1.2%と4ヵ月連続の増加になった。また、機械受注(除船電民需)の前年同月比は+5.1%で10ヵ月連続の増加になった。

 

●機械受注(除船電民需)の大型案件は、前回12月分では該当はなかったが、今回1月分でも該当はなかった。

 

●1月分製造業の前月比は▲4.8%と3ヵ月ぶりの減少になった。1月分の製造業では17業種中、4業種で増加し、減少は13業種だった。工作機械や金属加工機械の金属製品、化学機械や運搬機械の化学工業などが増加に寄与したが、原子力原動機やその他重電機の電気機械、船舶や内燃機関の造船業などが減少に寄与した。

 

●1月分非製造業(除船電民需)の前月比は▲1.9%と2ヵ月ぶりの減少になった。12月分では火水力原動機2件、原子力原動機1件と大型案件が計3件あった電力業は、1月分では0件に減った。電力業の前月比は▲47.2%と2ヵ月ぶりの減少となった。1月分の船舶・電力を含む非製造業全体では前月比▲19.1%と2ヵ月ぶりの減少になった。非製造業12業種中、4業種が増加で8業種が減少となった。電子計算機等や運搬機械の情報サービス業、農林用機械や内燃機関の農林漁業などが増加に寄与した。一方、電力業、鉱業・採石業・砂利採取業などが減少に寄与した。

 

●大型案件は、前回12月分は全体で14件。内訳をみると、前述の電力業の民需が3件、官公需が2件で、内訳は地方公務1件(その他産業機械)、その他官公需1件(その他産業機械)である。また、外需が9件(風水力機械2件、船舶4件、火水力原動機1件、鉄道車両1件、化学機械1件)であった。今回1月分は全体で1件。外需1件(鉄道車両1件)だけであった。

 

●中小企業の動きを反映している部分がある代理店受注は1月分前月比+1.4%と3ヵ月ぶりの増加となった。前年同月比は+6.6%と10ヵ月連続の増加になった。

 

●外需は、1月分の前月比が+0.9%と2ヵ月ぶりの増加になった。前年同月比は+27.2%で10ヵ月連続の増加になった。

 

●内閣府の基調判断の推移をみると、21年5月分で「持ち直しの動きがみられる」に上方修正され、6月分に続き7月分でも据え置きとなっていた。しかし、8月分では「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に判断が下方修正された。9月分・10月分では「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に判断が据え置かれた。11月分では「持ち直しの動きがみられる」に上方修正された。前回12月分では「持ち直している」に上方修正され、今回22年1月分では「持ち直している」で判断据え置きとなった。

 

●機械受注(除船電民需)1~3月期の前期比見通しは▲1.1%から季節調整替えの影響で▲0.5%に変更になった。新型コロナウイルス感染拡大・第6波などで、企業が設備投資に慎重になった影響が感じられる数字である。1~3月期の前期比実績は09年(平成21年)から21年までの13年間でみると、上振れ8回、下振れ5回であり、若干上振れしやすい傾向がある四半期である。22年(令和4年)の見通しは単純集計値に過去3四半期平均の達成率95.1%をかけたものである。1~3月期の前期比見通しの▲0.5%を達成するためには、2月~3月の各月分が前月比▲1.3%が必要である。各月分が前月比0.0%なら1~3月期の前期比は+0.8%になる。

 

 

●景気ウォッチャー調査の設備投資関連・現状判断DIは、21年5月45.0(回答した景気ウォッチャー・5人)、6月50.0(同7人)、7月50.0(同7人)、8月45.8(同6人)、9月47.7(同11人)、10月53.6(同7人)、11月40.0(同5人)、12月46.9(同8人)、22年1月33.3(同3人)、2月64.3(同7人)と推移している。2月では「年始当初より受注量が増加し、年度末を迎えても非常に活発に推移している。特に事務関連機器の設備投資が旺盛である。(北陸:通信業〔営業〕)」というコメントがあった。

 

 

●一方、設備投資関連・先行き判断DIは21年5月37.5(回答した景気ウォッチャー・6人)、6月43.8(同4人)、7月43.8(同8人)と推移し、8月28.7(同7人)に落ち込んだ後、戻して、9月53.6(同7人)、10月52.8(同9人)、11月57.1(同7人)、12月60.0(同5人)と4ヵ月連続の50超になった。その後、22年1月37.5(同8人)まで低下し、2月は66.7(同3人)まで戻った。2月では「新型コロナウイルスの感染状況は悪化しているが、設備投資を開始する客が徐々に増えており、経済優先という雰囲気を感じる。(四国・設計事務所〔所長〕)」というコメントがあった。

 

●日本工作機械工業会によると、2月分速報値の工作機械の国内向け受注額の前年同月比は+60.4%と、21年3月分+18.2%、4月分+70.6%、5月分+82.6%、6月分+91.1%、7月分+82.9%、8月分+93.2%、9月分+90.2%、10月分+74.1%、11月分+84.9%、12月分+60.8%、22年1月分+67.3%に続き、12ヵ月連続の増加になった。前年同月比でみて受注が増加傾向にあることが示唆される。機械受注統計での民需からの工作機械受注も前年同月比2ケタ増加の動きになっている。22年1月分の前年同月比+59.4%と、21年3月分+17.0%、4月分+71.4%、5月分+85.6%、6月分+77.2%、7月分+84.8%、8月分+91.4%、9月分+80.1%、10月分+63.5%、11月分+90.7%、12月分の前年同月比+67.8%に続き11ヵ月連続の増加である。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2022年1月分「機械受注」のデータ』を参照)。

 

(2022年3月17日)

 

宅森 昭吉

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

理事・チーフエコノミスト

 

三井住友DSアセットマネジメント株式会社 理事・チーフエコノミスト

旧三井銀行(現三井住友銀行)で都市銀行初のマーケットエコノミストを務める。さくら証券チーフエコノミストなどを経て現職。
パイオニアである日本の月次経済指標予測に定評がある。身近な社会データを予告信号とする、経済・金融のナウキャスト的予測手法を開発。その他、「景気ウォッチャー調査」などの開発・改善に取り組んできている。「より正確な景気判断のための経済統計の改善に関する研究会」など政府の経済統計改革にも参画。「景気循環学会」常務理事。
著書に『ジンクスで読む日本経済』(東洋経済新報社)など。

著者紹介

連載【宅森昭吉・理事・チーフ エコノミスト】エコノミックレポート/三井住友DSアセットマネジメント

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