(※写真はイメージです/PIXTA)

最近、従業員が連絡もなく突然出勤しなくなる事象が増えています。従業員の無断欠勤は業務に支障がでてしまいますし、他の従業員にも迷惑がかかります。無断欠勤が長期にわたる場合、企業としては従業員の給料のカットや解雇を考えたいところですが、法的な問題もあるのです。このような場合に、企業としてどのような対応を行えばよいのかについて見ていきましょう。社会保険労務士・柴垣和也氏が解説します。

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企業が取るべき対応① 従業員本人と連絡を取る

まずは従業員本人と連絡を取りましょう。

 

従業員が欠勤するときは、勤務先へ連絡をするのが社会人として当たり前の行為です。この行為を行わないことは、企業にとっては「社会人としてどうなのか?」と考えたくなるかもしれません。

 

ですが、従業員が無断欠勤をするには何らかの原因があるはずです。特に、今まできちんと出勤していた従業員が無断欠勤をすることは、何か深い事情があるのかもしれません。また、事故や急病により連絡が取れない可能性もあります。

 

そのため、まずは企業側から従業員に連絡を取る必要があります。電話やメールなどあらゆる方法を漏れなく試しましょう。

 

もし従業員本人と連絡が取れない場合には、緊急連絡先や友人知人、マンションの管理人など範囲を広げて連絡を取る努力が必要です。

 

まずは安否確認を行い、連絡を取る努力をした証拠を残すことが大切です。従業員を解雇することになった場合、こちらが努力したという有力な証拠が必要となります。

企業が取るべき対応② 無断欠勤の原因を把握する

無断欠勤をした従業員と連絡が取れた場合、原因を把握する必要があります。無断欠勤の原因として以下のようなケースが多く挙げられますが、ケースによって企業の対応が変わってきます。

 

<ケース:寝坊などによる自己管理不足>

無断欠勤の理由が、夜更かしで寝坊をしたなどの自己管理不足の場合があります。上司への連絡が億劫になったり、気まずかったり、寝坊などの事実を伝えづらくて無断欠勤になることが考えられます。

 

このようなケースは、直ちに出勤要請をすることが大切です。但し、寝坊などの原因が、体調不調やメンタル不調の場合もあり得ますので、注意が必要です。

 

<ケース:病気や怪我などによる体調不調>

病気や怪我などの体調不調のため、勤務先に連絡できなかったというケースがあります。交通事故などの不慮の事故にあってしまって、連絡ができなかったという場合もあります。

 

このようなケースは、連絡もままならない状況であることも多々あるのです。そのため、病気や怪我などによる体調不調の場合は、無断欠勤ではなく正当な理由による休暇にあたります。状況により、しかるべき休暇制度を利用するように、従業員に提案しましょう。

 

<ケース:うつ病などのメンタル不調>

うつ病を発症した場合は、食欲不振や不眠症など身体にくるケースもありますが、症状が悪化した場合は、気分が落ち込んでコミュニケーションがとれなくなるなどのメンタル不調になる場合もあります。その結果、勤務先への連絡ができなくなり、無断欠勤につながっていく場合もあるのです。

 

メンタル不調の従業員に対して、出勤要請をすることは、企業の評判にも影響してきますので絶対にしてはいけません。

 

仕事が原因でうつ病になった可能性もありますので、従業員の状態をよく把握して話を聞くことが大切です。

 

無断欠勤の原因がうつ病の場合は、企業の責任を問われることも考えられるため注意が必要です。

 

<ケース:セクハラやパワハラなど>

セクハラやパワハラが原因で無断欠勤となるケースもあります。このような場合は、企業内で聞き取り調査を行い事実かどうかの確認をします。

 

セクハラやパワハラが事実の場合は、従業員の無断欠勤はやむを得ないということになり、企業側の責任が問われることがあります。

 

セクハラやパワハラの事実がかったと判断した場合は、直ちに出勤要請を行うことになります。

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