上司の多くは、部下とのコミュニケーションの取り方に頭を悩ませています。指示通りに動かない、無茶な要求を突きつける、すぐ不機嫌になり場の空気を悪くする…。そんなふるまいをする部下を、一体どのように扱えばいいのでしょうか。いくつかのポイントを理解すると、取るべき行動が見えてきます。

わがままや無茶な要求の9割は「無知」に起因している

ここまで読んで、あなたはこう思っていませんか?

 

「ダメなものはダメ! と言い切って、部下が不機嫌になったらどうするんですか?」

 

もしくは「社内の空気が悪くなったらどうするんですか?」とか、「辞められたらどうするんですか?」という、漠然とした不安を感じているかもしれません。

 

しかし、安心してください。

 

しっかりとダメなことについて理由を説明しても、不機嫌をたてに自分の要求を通そうとしてくるような人は、一緒に働く仲間に迷惑をかける人です。すでに社内に良くない空気を生み出している可能性もあります。そのような人が辞めてもなんの問題もないので、気にする必要はありません。

 

さらに正確に言うならば、組織が変わるチャンスでもあります。この話は長くなるので割愛しますが、「ダメなものはダメ!」と伝え、「なぜダメなのか?」と説明する責任を果たすことにフォーカスしましょう。

 

部下の話を聞いて、理解する意欲を持つのは上司として大切な姿勢です。しかし、部下の話を無条件に受け入れる必要はありません。この二つは明確に区別すべきことです。

 

部下がわがままを言ってきた、無茶な要求をしてきた、そんなときこそ人材教育のチャンスと捉えましょう。

 

なぜなら、わがままや無茶な要求の9割は、「無知」が生み出しているからです。このことを知っておけば、部下の無知に対して、怒ったり苦しんだりする必要は何一つないことがわかります。

 

ただ、部下が「知る必要のあること」を丁寧に教え、そして「知る」喜びを分かち合っていきましょう。

 

 

田口 淳之介

 

 

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※本連載は、田口 淳之介氏の著書『リーダーのための対話の方程式』(自由国民社)より一部を抜粋・再編集したものです。

リーダーのための対話の方程式

リーダーのための対話の方程式

田口 淳之介

自由国民社

対話が変われば、人間関係が変わる。 営業も人事も人材育成もチームマネジメントもパートナーシップも、すべては「対話」が創り上げている。 毎月20社以上、全国の企業で「対話の仕方」を教える著者が、延べ2万人と対話して…

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