子供を認知する遺言書が見つかった場合
子供を認知する遺言書が見つかった場合、遺言執行者は就任から10日以内に認知の届け出をしなければなりません。届け出は(1)遺言者の本籍地、(2)子供の本籍地、(3)遺言執行者の住所地のいずれかの市区町村役場で行い、認知届出書に遺言書など必要書類を添付して提出します。認知する子供が成人している場合は本人の承諾書が必要です。認知する子供が胎児の場合は母親の承諾書が必要で、届け出先は母親の本籍地の市区町村役場に限られます。
子供が認知されると、その子供は相続人となります。被相続人の配偶者や子供など相続人は、認知された子供も含めて遺産分割の話し合いをしなければなりません。認知された子供を除いて遺産分割することはできません。
認知症になると遺言作成ができなくなる
認知症になると遺言書を作成することができなくなります。作成したとしても意思表示できる状態ではなかった、つまり遺言能力がなかったと判断されれば遺言は無効になってしまいます。遺言認知をお考えの場合は、できるだけ早く遺言書を作成することをおすすめします。
遺言者が認知症であったにもかかわらず遺言書が作成された場合、遺言能力があったのかどうかをめぐって相続人どうしで争いになることがあります。このようなときは、相続人が遺言無効確認の訴えを起こします。
遺言者に遺言能力があったかどうかは、医師の診断のほか、遺言の経緯、遺言をする前後の生活状況や精神状態も含めて判断されます。遺言書を作成した時点で遺言者に遺言能力がなかったと判断されれば、遺言は無効になります。自筆証書遺言だけでなく、公正証書遺言でも無効になることがあります。
有効な遺言書の作成は専門家へ
婚姻関係にない男女の間に生まれた子は、認知によって父子関係を確定することができます。生前に認知をするとトラブルになることがあるため、遺言で認知をすることもできます。遺言認知では、遺言書に必要事項をもれなく記載し、遺言執行者を定めておく必要があります。
なお、認知症で意思表示ができなくなると遺言作成ができなくなってしまいます。いつから認知症になるかは自分ではわからないものです。遺言認知をお考えの場合は、できるだけ早く遺言書を作成しておくようおすすめします。
なお、今回のように少し特殊な遺言については、作成を専門家に依頼する方が安心です。
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