(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事では、現役医師である中村重信氏、梶川博氏が、家族や医療従事者が知っておきたい認知症の治療法について解説していきます。

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「血液の塊」ができないよう、予防することが大切

血管性認知症は、脳動脈に血液の塊ができて脳に酸素やブドウ糖などが届かないため、神経細胞や神経線維が壊れて起こります。そのため、血液の塊ができないように予防することが大切です。

 

もともと、血液が塊を作るのはケガなどによる出血を防ぐ生体防御の仕組みなのです。

 

しかし、高齢になり動脈硬化が進むと、出血もしていないのに血液が固まり、血流が悪くなります。血液が固まるには血小板やトロンビンなど多くの物質が関わります。これらをコントロールすることで血液の固まり方を調節して、血液の塊(凝集・凝固)を抑え、出血しないように治療します。

 

アスピリンは血小板の凝集を抑えて、脳梗塞を予防して脳血流を正常に保つので、血管性認知症に効くと思われますが、記憶障害などの認知症の症状に対する効果があるとの報告はありません。シロスタゾールやクロピドグレルなどの抗血小板薬でも同様です。

 

次ページ「血管性認知症」に効果がある薬はあるのか?

本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『認知症の人が見る景色 正しい理解と寄り添う介護のために』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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