ブラジル株の割安感が見直し買いのきっかけに
2022年初から海外投資家のブラジルへの資金流入が回復し始めた背景として、次の3つの点が挙げられます。
第1に、ブラジル株のバリュエーションの割安感です。2021年後半からの株安進行によってブラジル株の12ヵ月先予想PERは8倍台に低下しており、新興国株全体の11倍台やインド株の20倍台を大きく下回っています(図表4)。
2022年の世界の株式市場では、金利上昇懸念から米国のグロース株を中心に調整色が強まりつつあり、新興国株の中でも割安感があるブラジル株への見直し買いの動きが広まった可能性があります。
海外との金利差拡大が債券投資流入を後押し
第2に、新興国のなかでもブラジル中銀が先行して利上げを実施してきたことで、金利差の面で海外投資家の債券投資の流入を後押ししていると考えられます(図表5)。
ブラジル中銀の政策金利は現在10.75%へ引き上げられており、利上げ局面は終盤に差し掛かっています。市場予想では政策金利は残り2回の利上げで12.25%に達した後、2023年以降はインフレの一巡に伴ってブラジル中銀は利下げに転じるとの見方が大勢となっています(図表6)。
ブラジルの2年国債利回りは足元で12%台後半に上昇しているものの、終盤に入るブラジルの金融引き締めサイクルの面からは、今後、国債利回りが徐々に安定化に向かう可能性もありそうです。
ルーラ氏の中道寄りの姿勢から不透明感が後退
第3に、2022年10月に予定されるブラジル大統領選挙への懸念が後退しつつあることが、海外投資家のブラジルへの信認回復に繋がっているとみられます。
直近の世論調査では、左派のルーラ元大統領と右派のボルソナロ大統領が次期大統領の有力候補となっています(図表7)。
現在、ルーラ氏は過去の大統領選挙でライバルとして争ったアルキミン元サンパウロ州知事を自身の副大統領候補として検討しているとされています。経済改革に前向きなアルキミン氏を取り込もうとするルーラ氏のより穏健な中道寄りの姿勢が、大統領選挙に対する市場の不透明感後退をもたらしている面があると考えられます。
今後は、3月末頃とみられているルーラ=アルキミン陣営の正式な出馬表明や、各候補者の政策公約の中身に市場の注目が集まりそうです。
和泉 祐一
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