(※写真はイメージです/PIXTA)

「東南アジアを中心とした新興国でのタワマン投資」について、海外不動産コンサルティングを展開する村上年範氏が解説していきます。

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日本では値下がりしづらいタワマンに不動産投資をするのが人気で、特に東京都心のタワマンは高値で取引がされています。その一方、タワマンの修繕積立金不足問題は度々取り沙汰され、「不動産価格が暴落するのでは…」と囁かれることもしばしばです。

 

東南アジアを中心とした新興国でも、多くのタワマンが販売されています。ここでは、新興国でのタワマン投資についてみていきましょう。

手を出しやすい「東南アジアのタワマン投資」だが…

日本の海外不動産会社では、東南アジアのタワマンがたくさん販売されています。主にはマレーシアやタイ、カンボジアなどですが、日本のタワマンよりも安く、日本人投資家からすると手を出しやすいため人気があります。

 

東南アジアは人口ボーナス期が到来しており、これから経済成長すると見込まれるため、大きなキャピタルゲインを期待して投資をしていることでしょう。

 

しかし、東南アジアを中心とした新興国でのタワマン投資にはたくさんのリスクがあることを忘れてはいけません。

 

1.竣工しないリスク

 

日本の海外不動産会社で販売されているタワマンは、ほとんどがプレビルドのものです。つまり、まだ竣工していない「プロジェクト段階」のタワマンが販売されています。

 

タワマンの代金はプロジェクトの進捗度合いに合わせて支払うことができるため、投資がしやすいのが特徴です。これをプログレスペイメントといいます。

 

日本では考えられませんが、海外のプレビルドのタワマンでのトラブルは驚くほど多く、竣工しないままプロジェクトが頓挫し、結果、それまでに支払った資金を回収できないというトラブルが多発しています。

 

2.借り手が見つからないリスク

 

日本人からすると手を出しやすい価格帯でも、東南アジアの新興国はそもそも物価が安いということを忘れてはなりません。

 

賃金の低い東南アジア新興国のタワマンを購入し、賃貸借するとなると、入居者は富裕層か駐在員が対象となります。賃料が高額になるためです。富裕層や駐在員は一定数しか存在しないため、供給過多になった場合は賃貸借ができなくなります。

 

また、競合のタワマンが多ければ多いほど十分な賃料を確保できない可能性が高まります。

 

マレーシアのジョホールバルにはたくさんのタワマンがありますが、空室率は驚きの「70%超」です。マレーシアのクアラルンプールでは借手市場になっており、十分な賃料を確保できないため、利回りが確保できていません。

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