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◆成績優秀なら「特待生制度」を利用する手も
各医学部の医師国家試験合格率は、受験生の志望校選びの指標となっており、この数値が医学部の人気を左右するといっても過言ではありません。
そのため各大学は、「特待生制度」を設けて優秀な学生を集めることに力を入れています。学費等を免除することで多くの志願者が集まれば、成績優秀な学生の入学率も高まり、将来的には国家試験の合格率アップにもつながるからです。
以下は、各医学部が提示している特待生制度の一例です(2022年3月現在)。
●慶應義塾大学「人材育成特別事業奨学金」
特典:4年間、年間200万円(総額800万円)を給付。
選考条件:一般入試成績上位者10名程度。
●東京慈恵会医科大学「慈恵大学奨学生」
特典:学納金(授業料、入学金、施設拡充費)の全額または半額を貸与。卒業後に返済の義務あり。
選考条件:10名程度。対象は全学年。無利子。
また奨学金ではありませんが、「学校法人慈恵大学提携教育ローン」という制度もあります。これにより保護者または学生本人は、金融機関から10万円以上1,000万円以内の借入が可能になります。
●国際医療福祉大学「医学部特待奨学生制度」
特典:1年次250万円を給付・入学金150万円を免除、2年次以降は230万円を給付。
選考条件:一般選抜、大学入学共通テスト利用選抜、留学生特別選抜、帰国生および外国人学校卒業生特別選抜の成績上位合格者から50名。
●北里大学「特別待遇奨学生制度」
特典:(第1種)入学金、授業料、施設設備費および教育充実費の納入免除。/(第2種)入学金および授業料の一部の納入免除。
選考条件:一般入試合格者のなかから上記2区分による特待生を選考(若干名)。選考面接あり。
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「共通テストのハードル」も存在?
大阪医科薬科大学は昨年度、現役生へ向けて「建学の精神入試」という推薦入試をおこないました。合格者には6年間の実習料、施設拡充費、教育充実費の半額が免除されるというものです。
セレクションをかけて、最終的に1次審査を通ったのは3人ほど。彼らには難しい一般試験は課さず、「共通テストで9割以上取れば合格」ということになっていました。現役生を3人呼び込もうという狙いです。しかし、結果として合格したのは0人でした。
やはり現役生に9割は難しい…ということで、今年度は「至誠仁術入試」と名称を変更し、ボーダーを7割5分まで一気に下げました。
1次合格者5人のなかには、わたしが普段指導している受験生も含まれていました。もちろん、とても優秀な生徒なのですが、7割5分でも「厳しいかも…」といいながら勉強していたことが印象に残っています。
浪人生は4月から私立医学部の過去問を解いていて、英数理は早いうちから固まっています。すでに共通テストはカバーできる状態にあって、あとから「国語と社会だけ頑張ろう!」と科目を絞って力を入れることが可能です。
一方、現役生は浪人生と違って、学校の進度や様々な科目の履修といった制約があります。要領よく計画を立てて学習しないと、共通テストのボーダーが下がっても大変であることには変わりないようです。
なお、至誠仁術入試では最初3人に合格通知が出され、その後すぐに2人が繰り上げられ合計5人となりました。7割5分でも集まらないかもしれない、という大学の予想かもしれません。