(※写真はイメージです/PIXTA)

経営者は常に自社の躍進を望み、そして組織の課題解決の方策を探っています。しかし、企業によって抱える問題や課題は千差万別であり、多くのコンサルタントが提案するような「成功パターン」のひな形に落とし込んでカスタムする手法では、解決できないケースが多いのです。では、どんな手法が有効なのでしょうか。中小企業コンサルのプロフェッショナルが解説します。

企業ごとの課題にメスを入れ、理解し、解決に関与する

中小企業の課題を根本的に解決するためには、こうした「パッケージ型」のコンサルティングではなく、企業ごとに異なる課題にしっかりメスを入れ、内容を十分に理解し、解決にも深く関与するコンサルティングが必要になります。

 

パッケージ型に対して、オーダーメイド型のコンサルティングとなります。

 

ただし料理であればオーダーの際に、味付けや焼き加減などを詳しくヒアリングし、その人の好みに合わせた料理を出すことがシェフのミッションになりますが、組織改革の場合は、クライアントの好みに合わせても、課題の解決にはつながりません。

 

依頼する企業側も何が課題なのかが分かっていません。そこで業績向上を阻害する本当の問題は何で、現場にはどのような課題があるのかを見極めたうえで、ゼロから改善計画を立て、実行することが必要になります。企業ごとに異なる潜在的なニーズは社内の状況によって変化しますし、現場で起きていことではなく、然るべき知識と経験とが求められているといってまちがいありません。

 

また、現場に深く入れば入るほど、個々の社員の人間に触れることになります。理屈だけでなく、社員の感情や雰囲気といった非合理的なものにも大きな影響を受けます。「分かっているけどできない」はその典型であるといってよいでしょう。現場の課題を解決することは人の課題を解決することにほかなりません。

 

だからこそ、人という実に非論理的な生き物をしっかりと受け止める必要もあるのです。こうした人への対応は、どれだけ論理的思考力や分析力が高くても、それだけでできるというわけではありません。むしろ、論理的に考える力が強ければ強いほど、現場の非合理的な側面が受け入れられず、それが戦略に賛同しない人はすべて入れ替えてしまうという方向性になってしまうこともあります。

 

しかし、組織改革コンサルティングは論理だけで「人を動かす」ことはできません。その人の抱える想いなどにもしっかりと配慮することができなければ、改善の方向に動いてもらうことなど不可能です。その意味でもやはり、現場に深く入り込み、自ら課題を解決する必要があるのです。

 

 

株式会社ココチカ
代表取締役社長 山中 一浩

 

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本記事は、山中一浩著『驚くほど業績が上がる 中小企業のための「コンサルティング」活用術』(GMC)を抜粋・再編集したものです。

驚くほど業績が上がる 中小企業のための「コンサルティング」活用術

驚くほど業績が上がる 中小企業のための「コンサルティング」活用術

山中 一浩

幻冬舎MC

会社を成長させるには、販売網や顧客基盤の拡大、事業の多角化、また優秀な人材の確保と定着など、さまざまな課題を解決していくことが必要です。 特に中堅・中小企業では、経営者自らが先頭に立って、業績向上の取り組みを…

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