誰でも実践できて効果が出る方法を紹介
ここで逆に、「部下から見てみる」とどうでしょうか?
あなたは、部下から見たとき、「一緒に仕事をしたい人」でしょうか?
部下から「この人の言うことなら聞こう」と思われているでしょうか?
部下から「この人のために動こう」と思われているでしょうか?
動かすべきは、部下やチームではありません。
まず動かすべき、変わるべきは「リーダー」 です。
自分を知り、自分自身をマネジメントすることから始める必要があります。
あなたがセルフマネジメントをして自分を整えると、リーダーとしてのあり方や思考、振る舞い・行動、コミュニケーションが変わります。すると自然とリーダーシップが発揮され、部下もチームも動き出すのです。
これは1万5000人のリーダーとかかわり続けた私のひとつの結論です。
■リーダーシップの順番
リーダーシップを発揮するには「順番」があります。
突然ですが、基礎工事をせずに、いきなり家を建築しようとしている人がいたら、あなたはどう思いますか?
「え、大丈夫?」「基礎工事をせずに建築するなんて危険すぎる」と思いますよね。
もちろん、さすがに基礎工事を省いて家を建築する人はいないと思います。
しかし、仕事においてはどうでしょうか。建築では当たり前の「土台作り」が、チームビルディングにおいてはなされていないことのほうが多いです。
「チーム」をマネジメントしなければいけないのに、「自分」のことすらままならない。
チームとして目指す方向どころか、自分のキャリアプランすら迷いがあって不明確。
「部下を育成、指導する」役割なのに、部下のことをよく知らない。
心当たりのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
建築において基礎工事が不可欠で重要なことであるように、リーダーシップにおいても、まずは土台を整えることが重要です。
にもかかわらず、多くのリーダーが、リーダーシップを発揮するためのスキルばかりにとらわれてしまっています。
リーダーシップを発揮するために必要なのは、人を惹きつけたり動かしたりする特別な才能でもなければ、高度なテクニックでもありません。
これらは、土台が整った上で、はじめて功を奏します。
本連載では、リーダーシップ発揮のための「4ステップ」 をご紹介していきます。
建築でいう土台の部分が、「リーダーが自分自身を知る、セルフリーダーシップを発揮する、相手を知る」です。
そして、家の部分が「リーダーシップを発揮する」です。
まずは、自分自身をマネジメントして、自分を知り、相手を知ることで、リーダーシップの土台ができあがります。
そのために、誰でも実践できて効果が出る方法をご紹介していきます。
この手順を実践すれば、強い口調でダメ出ししなくても、ポジションパワーに頼って部下やチームを動かさなくても、従来の方法以上に効果的で、よりいい方向へと導いていくことができます。
これまで10年以上にわたり、エグゼクティブコーチとしてリーダーをサポートしてきました。その際に一貫してお伝えしてきたことを、本連載で初公開いたします。
これから紹介していくシンプルメソッドを実践していただくことによって、あなたが今まで抱えていたリーダーシップやチームマネジメントに関する悩みが解決し、日々の仕事が今よりはるかに、楽しく充実していくことをお約束します。
大平信孝
株式会社アンカリング・イノベーション代表取締役