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税務調査のペースは「平均4~5年に1回程度」
税務調査が10年以上来ないことは、平均的なことなのでしょうか。通常税務調査はどのくらいの頻度で行われるものなのでしょう。
会社に税務調査が来る頻度は、4~5年に1回程度が平均とされています。国税庁で公式に発表されているわけではないため、あくまでも目安となります。以前は「3年に1度のペース」と言われていたこともありますが、2013年に税務調査の手続きについて法律で細かい規定が設けられたため(国税通則法)、調査件数は減少傾向にあるものの、1件あたりの調査にかけるエネルギーは重くなっているようです。
■ただし、「申告誤り」「申告漏れ」などが指摘された場合は早まることも
1度税務調査を受けたことがある会社で、その際に売上の申告漏れなどが発覚し、過少申告などの指摘を受けた過去がある場合には、税務調査が早期にやって来る場合もあります。税務調査後も申告が適正にされているかを確認する目的で、1~2年ほどで再度税務調査の対象となるケースです。
■一方、「10年以上税務調査が来ないケース」もある
税務調査は大きな会社にだけ行われるわけではなく、中小企業やフリーランスなど、あらゆる個人事業者や納税者が対象となります。とはいえ、いつどのタイミングでどこの会社が税務調査の対象となるかは見極めが難しい部分もあり、中には10年以上税務調査が来ない、というケースも珍しくありません。
ただ、税務調査の対象となりやすい会社と、そうでない会社にはいくつかの特徴があるのも事実です。税務調査が来やすい会社と来ない会社では、どのような点に違いがあるのか、次章で詳しく見ていきましょう。
「税務調査が来る会社、来ない会社」の決定的違い
税務調査が頻繁に来る会社がある一方で、10年以上税務調査が来ない、という会社があるのは何故なのでしょうか。考えられる主な理由としては、以下のような点が挙げられるでしょう。
■そもそも「調査対象になりやすい業種」がある
税務調査は毎年一定数の会社やフリーランスに対して実施されており、そこで何件不正が発覚し、いくらの追徴課税が発生したか、といった点について、税務署はデータベースを保有しています。故意かそうでないかに関わらず、税務調査で不正発見割合の高い業種のランキングを、国税庁は毎年ホームページで公開しているのです。
その中で、例年上位に入っているバーやクラブ、外国料理の飲食店、土木・建築関連業などは、その他の業種に比べると税務調査になりやすい傾向があります。
不正が発覚しやすい理由は、それぞれの業種によっても異なりますが、例えば飲食店の場合は現金取引が多く、伝票のつけ忘れや転記漏れが出やすいなど「売上をごまかしている」と疑われやすい点が挙げられるでしょう。
土木建築関連は人件費を外注費としている疑いや、1件あたりの請負額が巨額になりやすいといった点がポイントとなります。バーやクラブにおいては、申告自体をしていない無申告者が多いといったケースもあるでしょう。令和2年度に不正発見割合の高い業種として順位をあげた美容、エステも今後注目する業界でしょう。
■売上が急増した、経費が大幅増額した…「多額の脱税」が疑われるケース
急激に売上が伸びていたり、経費の計上額が例年よりも大幅に上がったりしている場合も「申告の数字を間違えていないか」「利益がないように見せて過少申告をしていないか」といった点を疑われる場合があります。
また、急に売上が伸びたことで、帳簿の管理方法に問題が発生していないか、科目を間違えたり、思い違いがあったりしないかといった確認で調査が入るケースも多いでしょう。税務署の方でも、限られた人数の税務調査官が調査に入るわけですから、一定額以上の修正申告が見込まれる会社を調査対象としやすい側面もあると予想されます。そのため、前年度に比べて売上が大きく伸びた場合、税務調査の可能性について早期に考慮しておいた方が良いでしょう。
「10年以上来ていないから安心」という考えは危険
上記のような特徴がない会社でも早期に税務調査がやって来る場合もあれば、不正が発覚しやすい業種に該当するにも関わらず、10年以上税務調査が来ないという会社もあるでしょう。税務調査されやすい理由として考えられる点はあるものの、毎年2,000万人もの所得税申告があることを考えると「税務調査が来るか来ないか」は、運による部分もゼロではないと言えます。
そのため「10年以上税務調査が来ないから、うちは安心だ!」と考えるのは危険です。税務調査はいつどんな会社にもやって来る可能性があり、そのための対策をまったくとっていない場合、故意でなくても虚偽や不正、脱税の疑いをかけられてしまう可能性があるので注意しましょう。
税務調査のほとんどは税理士の同席が認められる「任意調査」となります。任意調査では、調査の前に書類の準備やチェックをする時間も設けられることが多いものです。
税務調査の対象となった場合、これを拒否したり妨害したりすることは法律で禁じられていますが、何でも調査官の言いなりにならなければいけないわけではありません。時には毅然とした態度で正義を主張することも大切です。
税務調査の対応に強い税理士であれば、税務署が何を疑っていて、どこを説明すれば理解してもらえるかといった知識と経験が豊富です。税務調査に少しでも不安を感じるなら、一度、税務調査の対応実績が豊富な税理士事務所の初回無料相談を利用してみるのも1つの方法でしょう。
<まとめ>
税務調査は誰のもとにもやって来る可能性がありますが、特定の業種や売上、経費の計上額が大きく変動した会社などは、税務調査の対象となりやすい傾向があります。10年以上調査が来ない会社であっても、どんな時に調査対象となるかはわかりません。不安な点は早めに税務調査に強い税理士へ相談するなどして、対策をとっておくと安心です。
税理士法人松本
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