多大な労力を費やして当然のマンション選び
現在、分譲マンションにお住まいのみなさんは、そのマンションをどういう基準で選ばれたのでしょうか。
マンションを選ぶ際、「3つのP」(Place=立地、Price=価格、Plan=間取り)を基本に考えるのが一般的です。それに、最寄り駅からの距離、日当たり、部屋数、希望の設備の有無などの条件を加味して比較・検討し、検討対象に挙げていた物件を絞り込んでいきます。
特に分譲価格については、周辺のマンションと坪単価を比べたり、さらに、仮に自分のマンションを貸した場合、どのくらいの家賃に設定できて、利回りがどのくらいになるか、というようなことを周到に計算し、収益の見込み具合によって判断する、という熱心な人も今では珍しくなくなりました。
マンションは高額な買い物です。それだけに、誰もが「失敗しないように」と多大な時間と労力を費やすのは当然のことといえます。
管理費の値上げ、管理組合の質など無数の落とし穴が…
けれども、その際、マンションの管理費と修繕積立金のことを考慮した人がどの程度いるでしょうか?
管理費や修繕積立金について、現在の金額を一応はチェックすると思いますが、長期修繕計画表に書かれている修繕積立金の将来の値上げ額や、駐車場の空室増加による管理費の値上げの可能性などを考える人はまずいないでしょう。
マンションの居室そのものの価格には注目しますが、管理費や修繕積立金のことは二の次になっているという印象が拭い去れません。さらに、マンション購入時に、加入することが義務づけられている管理組合について思いを巡らせる人は皆無といっていいでしょう。
しかし、この管理費や修繕積立金を二の次にし、管理組合にも無関心という点が、時として、管理会社のブラックな部分を助長することになります。実は、ここに大きな落とし穴が潜んでいるのです。