(写真はイメージです/PIXTA)

G7各国では金融引き締め政策が加速し、地政学上のリスクも要因の一つとして、株安が続いています。本記事では、ニッセイ基礎研究所の高山武士氏が世界各国の金融政策・市場動向を分析します。 ※本記事は、ニッセイ基礎研究所の世界各国の金融政策・市場動向に関するレポートを転載したものです。

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    金融市場:株安が進む

    MSCI ACWIの月間騰落率は、全体では前月比▲5.0%、先進国が前月比▲5.3%、新興国が前月比▲1.9%となった。昨年12月から1月半ばまでは横ばい圏で推移していたが、1月後半から大きく下落した。ただし、月末にかけてやや持ち直している。

     

    国別の株価の動きを見ると、1月は対象国48か国中、31か国が下落している(図表4)。

     

    [図表4]MSCI ACWI構成銘柄の国別騰落数
    [図表4]MSCI ACWI構成銘柄の国別騰落数

     

    [図表5]各国の株価変動率
    [図表5]各国の株価変動率

     

    特に先進国では23か国中20か国とほとんどの国で下落した。米国の高インフレを受けた金融引き締めが加速するとの警戒感やウクライナ情勢の緊迫という地政学リスクの高まりが多くの国で株価の押し下げ材料となったと見られる。

     

    一方、一部の新興国では価格が上昇している、資源価格や商品価格が上昇したことで、関連株式が上昇しており、株価の下支え材料となった。

     

    通貨の騰落率を見ると、対ドルの27カ国の貿易ウエイトで加重平均した実効為替レート(Narrow)が前月比0.1%、60カ国の貿易ウエイトで加重平均した実効為替レート(Broad)が前月比0.1%でほぼ横ばいとなった(前掲図表3)。

     

     

    MSCI ACWIの構成通貨別に見ると、37通貨中23通貨が対ドルで上昇(ドル安)、14通貨が下落(ドル高)だった(図表6)。先進国通貨は13通貨すべてが対ドルで上昇した。

     

    [図表6]MSCI ACWI構成通貨の通貨別騰落数
    [図表6]MSCI ACWI構成通貨の通貨別騰落数

     

    為替レートもFRBの金融引き締め加速観測やウクライナ情勢の緊迫化がドル高の主因と見られる(図表7)。なお、日本円などリスク回避的な動きから買われやすい通貨については、対ドルでも底堅い動きを見せている。

     

    [図表7]各国の対ドル為替レート変動率
    [図表7]各国の対ドル為替レート変動率

     

    また、昨年大きく下落したトルコリラについては、1月はトルコ中銀が政策金利を維持したこともあり、下落幅は限定的となっている。

     

     

    高山 武士

    ニッセイ基礎研究所

     

     

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    本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
    ※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2022年2月1日に公開したレポートを転載したものです。

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