「こうありたい自分づくり」のためにこそ人生鳥瞰図を活用せよ (※写真はイメージです/PIXTA)

大切なのは、自らの人生を開拓しようとする意欲です。一歩踏み出し、一段昇る意欲は年齢とは関係ありません。人生鳥瞰図はまさに「こうありたい自分づくり」のために活用できます。久恒啓一氏が著書『50歳からの人生戦略は「図」で考える』(プレジデント社)で解説します。

【関連記事】50歳を乗り越えても…65歳で急に「転落の危機」に陥るワケ

「やらなかったこと」を考える理由

■人生の「分岐点」は時間が経過してから気づくもの

 

第18回~19回で、人生鳥瞰図の後半のパート、「ライフデザインの構築」の三つのプロセスの一つ目、「キャリア自分史」の作成について説明してきました。

 

「キャリア自分史」を完成させるためには、まず、これまでの自分の歩みを年表形式でまとめる「キャリア年表」をつくります。

 

次に、その中で特に印象に残った出来事や出会いについて、そのときの自分自身の考えや判断、実際の行動、その成果を記述する「キャリアレコード」をつくります。

 

最後に「キャリアメモ」を書くわけですが、「キャリアメモ」を書くために、「現在の私」の視点で、「キャリア年表」や「キャリアレコード」を眺めていると、「現在の私」へとつながる人生の分岐点を発見できます。

 

その分岐点は、自分の意思に関係なく、向こうからやってくるものもあれば、自分の意思に基づいた決断が、後の大きな発展につながったものもあります。

 

入社以来、羽田、札幌、ロンドン、成田で、主に総務や労務関連の仕事をしてきた私の場合、30代半ばのころ、本社に異動する話が出てきました。異動先は人事部門か、資金部門か、広報部門のいずれかということでした。結果的に広報への異動が決定します。

 

この異動は振り返ってみれば、小さな分岐点でした。ただ、広報部門で社外広報と社内報の編集にも携わり、「図解日本航空」を連載して、図解コミュニケーションに自信を持つようになり、『図解の技術』を上梓するに至ったこと、次いで、サービス委員会事務局に移り、社内改革を推進して戦略的思考に磨きをかけ、それが大学教授になってからも、大学運営に役立ったことなど、その分岐点を起点にして、自分が飛躍していったことを考えると、天が与えてくれた幸運だったようにも思えます。

 

あるいは、広報部門に異動になってから、完全民営化に向け、図解という自分のスキルを駆使して、社内の意識を統一しようと全力を尽くしたこと、そして、サービス委員会で社内改革に全身全霊を傾けたことが、結果として小さな分岐点を大きな分岐点にしたともいえるかもしれません。

 

■「やったこと」だけでなく「やらなかったこと」も見る

 

「キャリアメモ」を作成する過程では、過去のことがらについて、後悔することもあるかもしれません。

 

人生には二種類の後悔があります。一つは、「なぜ、あんなことをしたのか」という後悔で、もう一つは、「なぜ、あれをやらなかったのか」という悔いです。野球にたとえるなら、空振り三振への後悔と見逃し三振の悔しさ、ともいえるでしょう。

 

「キャリア年表」と「キャリアレコード」に記述されるのは、過去に「やったこと」です。それに対し、「キャリアメモ」は、「やらなかったこと」も書き留めることができます。

 

同じ「やらなかったこと」でも、「あのとき、会社を辞めなくてよかった」のような、前向きな感慨もあれば、「やればよかった」という反省もあるでしょう。一般的に、やらずに後悔するより、やって後悔したほうがいい、といわれるように、「やらなかったこと」への後悔のほうが大きいかもしれません。「失敗した」と思うこともあるでしょう。

 

ただ、やらなかったのは、それなりの理由があったからでしょう。その理由をどう評価するかは人それぞれです。やらなかったから、「現在の私」があるのも事実です。

 

【オンライン開催(LIVE配信)】8/18(木)開催決定
節税、相続、贈与対策から資産形成まで
10万円から始める不動産クラウドファンディング
「グッドコムファンド」販売、緊急セミナー>>>>

多摩大学 名誉教授
宮城大学 名誉教授
 

1950年、大分県中津市生まれ。九州大学法学部卒業。

1973年、日本航空に入社。広報課長、経営企画担当次長などを歴任した。一方、社外の「知的生産の技術」研究会で活動を重ね、図解コミュニケーションの理論と技術を開発し、1990年に初の単著『コミュニケーションのための図解の技術』(日本実業出版社)を刊行した。

1997年、早期退職し、新設の県立宮城大学教授(事業構想学部)に就任。学生部長、キャリア開発室長、大学院研究科長、総合情報センター長、学長補佐などを歴任。また、国土交通省や経済産業省の環境政策、人材育成の研究会委員、宮城県の行政改革、長期総合計画、農業など27の委員会委員長、委員を務めるなど地域活性化に貢献した。

2008年、多摩大学経営情報学部教授に就任。2012年、経営情報学部長、2015年、副学長、2019年、多摩大学特任教授、多摩大学総合研究所所長を歴任し、2021年より現職。

NPO法人知的生産の技術研究会理事長。「日本人のアタマの革命(図解)とココロの革命(人物研究)」をライフワークとする。両分野の著書は100冊以上、『久恒啓一図解コミュニケーション全集』全10巻(日本地域社会研究所)を刊行中。

久恒啓一図解WEB:http://www.hisatune.net/
図解塾:https://note.com/metakit/m/mf7154ea1785b

著者紹介

連載50歳からの人生戦略は「図」で考える

※本連載は、久恒啓一氏の著書『50歳からの人生戦略は「図」で考える』(プレジデント社)より一部を抜粋・再編集したものです。

50歳からの人生戦略は「図」で考える

50歳からの人生戦略は「図」で考える

久恒 啓一

プレジデント社

「人生鳥瞰図」で仕事も人生もうまくいく! 大人のためのキャリアデザインの教科書。 私は日本人の「アタマの革命(図解)」と「ココロの革命(遅咲きの人物伝)」の二つをライフワークとしている──。 こう語るのは、…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧
TOPへ