(※写真はイメージです/PIXTA)

新しい建物をつくることが会社にとって転機になるのは間違いない。ただ一方で、理想を高くし過ぎるとコストが高くなることもある。ここでは食品工場や冷蔵倉庫の「結露問題」と「コスト」、施主と施工者との「信頼関係」について、三和建設株式会社・社長の森本尚孝氏が解説していく。

「餃子の王将」工場の設計事務所を提訴したケース

▼食品会社が新工場建設に伴う結露問題で設計者を提訴

 

結露問題で後々トラブルとなった事例を一つ紹介しておく。

 

「餃子の王将」で有名な株式会社王将フードサービスが、2016年2月に埼玉県東松山市で完成した新工場において、結露ならびにカビの発生が認められたために、同工場建設の設計にあたった設計事務所を2017年に提訴している。

 

2017年8月9日の「日経アーキテクチュアWeb版」掲載の記事では、王将フードサービス側は問題発生後の結露・防カビ対策の補修を完了し、工場内での生産品質に問題はなくなったとしているものの、工場建設を請け負った設計事務所に対しては、設計・工事監理上の責任を追及した形だ。

 

相手方は設計・工事監理者だけで施工者抜きとなっているのは異例であり、前述の通り設計・工事監理者と施工者それぞれとの信頼関係に差が生じた結果であると想像される。

 

 

森本尚孝

三和建設株式会社代表取締役社長

※本連載は、森本尚孝氏の著書『工場・倉庫建設は契約までが9割 完璧な事前準備と最適なパートナー選びでつくる理想の工場・倉庫』から一部を抜粋・再編集したものです。

工場・倉庫建設は契約までが9割 完璧な事前準備と最適なパートナー選びでつくる理想の工場・倉庫

工場・倉庫建設は契約までが9割 完璧な事前準備と最適なパートナー選びでつくる理想の工場・倉庫

森本 尚孝

幻冬舎メディアコンサルティング

新しい工場・倉庫の建設は企業にとって社運を賭ける一大事業である。 これまで多くの工場・倉庫・事務所ビルの建設に携わってきた筆者は、理想の工場・倉庫づくりに最も大切なのは、「一緒に考え、つくり上げていく」パート…

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