(※写真はイメージです/PIXTA)

完全受注生産の建物づくりは、やり直しがきかない一大事業プロジェクトである。ここでは「工場」に焦点を当て、「どんな機能をもたせるべきか」「耐震性能はどれほどにすべきか」について、三和建設株式会社・社長の森本尚孝氏が解説していく。

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「工場・倉庫を建てたい」…最重視すべき“目的”

建設(あるいは建築)というものは、ソリューション(解決策)である。何か建物を建てよう、もしくは改修しようというときは必ずなんらかの課題がある。

 

例えば、事務所が手狭になったから増床したい、製品を増産するため規模を拡張したい、建物が老朽化したから建て替えたい、取引先から製品の安全性に対して疑義が入りプロセス改善の一環として建物を改修したい、などである。

 

課題があるから建設動機が生まれる。何か建物を建てる際には必ず目的が存在するのである。

 

■工場や倉庫は「機能」が最も大事

 

建物にはさまざまな性質がある。美術館やホテルなどの人々が余暇を楽しむための建物ならば、訪れる人々の心を動かす必要があるので「造形」が大事になってくる。造形に優れた建物が、多くの人々が訪れる世界的な名所であったり、都市や国家の顔となったりすることもある。

 

だが工場や倉庫のような生産のための施設の場合、「造形」よりも「機能」の比重が重くなる。訪れる人の心を動かすことも大事だが、それ以前にそこで行われる生産活動を合理的かつスムーズに行う必要があるからだ。

 

もっとも、工場や倉庫にデザイン性がまったく不要というわけではない。外観・内観がない建物は存在しない。企業イメージを表現し従業員の職場に対する誇りを醸成するなど、意匠に配慮すべき側面もある。

 

重要なのは、建築の軸足がどの方向に向いているかということだ。造形と機能はトレードオフの関係ではなく、造形も機能の一部として考えるべきであろう。

 

そう考えれば意匠重視のあまり建物としての使い勝手が損なわれたり、必要以上の法外なコストが発生したりするなど本末転倒といえよう。

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    ※本連載は、森本尚孝氏の著書『工場・倉庫建設は契約までが9割 完璧な事前準備と最適なパートナー選びでつくる理想の工場・倉庫』から一部を抜粋・再編集したものです。

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    森本 尚孝

    幻冬舎メディアコンサルティング

    新しい工場・倉庫の建設は企業にとって社運を賭ける一大事業である。 これまで多くの工場・倉庫・事務所ビルの建設に携わってきた筆者は、理想の工場・倉庫づくりに最も大切なのは、「一緒に考え、つくり上げていく」パート…

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