
会社経営者の男性が亡くなりました。相続人が資産の詳細を調べたところ、1億円の借入金と、借入金の連帯保証をしていたことが判明。経営者なきあと、この借入金はどうなるのでしょうか。長年にわたり相続案件を幅広く扱ってきた、高島総合法律事務所の代表弁護士、高島秀行氏が実例をもとに解説します。
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父の会社は利益もなく、借入の利息も支払えず…
太郎さんの父親である太一さんは、建築資材の販売会社を経営していました。
ある日突然、太一さんは脳梗塞で倒れて亡くなってしまいました。会社は太一さん1人でやっていたため、経営内容はわかりませんでしたが、調べた結果、銀行などからの借入金が1億円あり、資産はほとんどない債務超過状態で、最近は利益も上がらず、利息も全額支払えていない状況のようでした。
太一さんは、この会社の借入金について連帯保証をしていることがわかりました。
太一さんには、妻である陽子さん、長男である太郎さん、長女である花子さんがいます。
太郎さんたちは、どうしたらよいでしょうか。
①連帯保証債務は相続されないので、何もしなくてもいい。
②連帯保証債務は相続されるから、太郎さんたちは借入れを支払わなければならない。
③連帯保証債務は相続されるけれども、相続放棄によって相続しないことができる。
みなさん、ドラマや映画小説などの影響で、相続といえば、多額の遺産をもらえるいいことだと思っている方が多いのではないでしょうか。
今日取り上げるのは、その反対のケースです。
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