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日本銀行『生活意識調査』で見えた国民の悲鳴
日本銀行は年4回、20歳以上の個人を対象にした『生活意識に関するアンケート調査』を発表しています。今月11日、2022年最初となる「国民の声」の集計結果が明かされ、この終わらないコロナ禍、日本人の赤裸々な感情が露わになりました。
同調査によると、現在の暮らし向き(1年前対比)について、「ゆとりが出てきた」と答えた人は減少。対して「ゆとりがなくなってきた」との回答は増加しました。
【現在の暮らし向き(1年前対比)】
2021年6月
「ゆとりが出てきた」5.3%
「どちらとも言えない」56.4%
「ゆとりがなくなってきた」37.3%
2021年9月
「ゆとりが出てきた」6.8%
「どちらとも言えない」55.5%
「ゆとりがなくなってきた」36.3%
2021年12月
「ゆとりが出てきた」5.8%
「どちらとも言えない」55.5%
「ゆとりがなくなってきた」40.0%
9月~12月の調査にかけて「ゆとりがなくなったきた」が3.7ポイント上昇していることがわかります。先月といえば、オミクロン株の感染がまだ確認されたばかりのころ。12月28日時点の全国の新規感染者数(直近の1週間)は10万人あたり約1.3人に留まっており、街も一定の賑わいを見せていました。
対する現在。感染者数は過去類を見ないほど急増し、1都15県の地域にまん延防止等重点措置が講じられています。飲食店は再度自粛を要請され、イベント等の中止も相次いでいる今、「ゆとりがなくなってきた」の割合はさらに増加することが推測されます。
同調査では収入の状況についてもアンケートを取っています。現在と1年前を比べて「収入はどうなったか?」、日本人の答えは下記のとおりです。
【現在と1年前を比べると…】
2021年6月
「増えた」7.1%
「変わらない」52.0%
「減った」39.9%
2021年9月
「増えた」9.0%
「変わらない」50.0%
「減った」38.9%
2021年12月
「増えた」7.4%
「変わらない」53.5%
「減った」38.3%
総務省1月7日公表の『家計調査報告』によると、勤労者世帯の実収入(2人以上の世帯)は、1世帯あたり481,838円、消費支出は277,029円となっています。前述の調査では「変わらない」と答えた人が半数を超えているものの、「減った」と答えた人の割合は3割強をキープする結果に。2021年、依然として苦しい生活を強いられたことは、データを以て表れています。