2021年11月分「機械受注」のデータ (※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供する「宅森昭吉のエコノミックレポート」の『経済指標解説』を転載したものです。

 

11月分機械受注(除船電民需)は前月比+3.4%と2ヵ月連続増加となった

 

製造業・前月比+12.9%と2ヵ月ぶり増加、非製造業・前月比▲0.8%と2ヵ月ぶり減少

 

3ヵ月移動平均2ヵ月連続増加などで、「持ち直しの動きがみられる」に判断を上方修正

 

10~12月期見通し前期比+3.1%、12月前月比▲5.9%で達成。実績は上振れか

 

 

●11月分機械受注(除く船舶電力の民需ベース、以下、除船電民需と表記)の前月比は+3.4%と2ヵ月連続の増加になった。また、3ヵ月移動平均は前月比+2.4%と2ヵ月連続の増加になった。また、機械受注(除船電民需)の前年同月比は+11.6%で8ヵ月連続の増加になった。

 

●機械受注(除船電民需)の大型案件は、前回10月分では非製造業の運輸業・郵便業で、鉄道車両1件が該当したが、今回11月分では該当はなかった。

 

●11月分製造業の前月比は+12.9%と2ヵ月ぶりの増加になった。10月分の前月比が▲15.4%の減少だった反動が出た。10月分の製造業では17業種中、9業種で増加し、減少は8業種だった。電子計算機等といった電気機械、運搬機械、風水力機械といった、はん用・生産用機械などが増加に寄与したが、電子計算機等といった食品製造業などが減少に寄与した。

 

●11月分非製造業(除船電民需)の前月比は▲0.8%と2ヵ月ぶりの減少になった。10月分では大型案件が火水力原動機2件、発電機1件と計3件だった電力業は、11月分では発電機1件、火水力原動機1件と計2件に減った。電力業の前月比は▲35.2%と2ヵ月ぶりの減少となった。11月分の船舶・電力を含む非製造業全体では前月比▲18.5%と2ヵ月ぶりの減少になった。非製造業12業種中、8業種が増加で4業種が減少となった。電子計算機等といった情報サービス業などが増加に寄与した。一方、鉄道車両といった運輸業・郵便業などが減少に寄与した。

 

●大型案件は、前回10月分は全体で14件。内訳をみると、運輸業・郵便業(鉄道車両1件、船舶5件)と電力業(火水力原動機2件、発電機1件)の民需が併せて9件、官公需が5件(防衛省で航空機1件、地方公務で化学機械2件、その他官公需で電子計算機等2件)である。今回11月分は全体で4件。内訳をみると、前述の電力業の民需が2件、外需が2件(電子計算機等2件)である。

 

●中小企業の動きを反映している部分がある代理店受注は11月分前月比▲7.7%と2ヵ月ぶりの減少となった。前年同月比は+21.4%と8ヵ月連続の増加になった。

 

●外需は、11月分の前月比が+0.7%と2ヵ月連続の増加になった。前年同月比は+44.1%で8ヵ月連続の増加になった。

 

●内閣府の基調判断の推移をみると、21年5月分で「持ち直しの動きがみられる」に上方修正され、6月分に続き7月分でも据え置きとなっていた。しかし、8月分では「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に判断が下方修正された。9月分に続き前回10月分でも「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に判断が据え置かれた。今回11月分では「持ち直しの動きがみられる」に上方修正された。

 

●機械受注(除船電民需)の10~12月期は前期比+3.1%の見通しである。見通しは、12月分の前月比が▲5.9%の減少で達成できる。

 

●機械受注(除船電民需)の10~12月期・前期比実績は2009年(平成21年)から昨年までの12年間でみると、上振れ8回、下振れ4回であり、上振れしやすい傾向にある四半期であり、今年も上振れる可能性が大きそうだ。

 

 

●景気ウォッチャー調査の設備投資関連・現状判断DIは、21年5月45.0(回答した景気ウォッチャー・5人)、6月50.0(同7人)、7月50.0(同7人)、8月45.8(同6人)、9月47.7(同11人)、10月53.6(同7人)、11月40.0(同5人)、12月46.9(同8人)と推移している。12月では「取引先の設備投資は堅調に推移している。ただ、組み込む電子部品が値上げされ、仕入れが困難なことなどから、値上げ分の自社吸収や納期遅延の発生など、厳しい状況にある。(中国:電気機械器具製造業〔総務担当〕)」というコメントがあった。

 

 

●一方、設備投資関連・先行き判断DIは21年5月37.5(回答した景気ウォッチャー・6人)、6月43.8(同4人)、7月43.8(同8人)と推移し、8月28.7(同7人)に落ち込んだ後、戻して、9月53.6(同7人)、10月52.8(同9人)、11月57.1(同7人)、12月60.0(同5人)と4ヵ月連続の50超になった。12月では「半導体関連は引き続き好調で、増産のための設備投資などが今後も見込める。(北陸・一般機械器具製造業〔経理担当〕)」というコメントがあった。

 

●日本工作機械工業会によると、12月分速報値の工作機械の国内向け受注額の前年同月比は+61.2%と、3月分+18.2%、4月分+70.6%、5月分+82.6%、6月分+91.1%、7月分+82.9%、8月分+93.2%、9月分+90.2%、10月分+74.1%、11月分+84.1%に続き、10ヵ月連続の増加になった。受注が増加傾向にあることが示唆される。機械受注統計での民需からの工作機械受注も前年同月比2ケタ増加の動きになっている。11月分の前年同月比+90.7%と、3月分+17.0%、4月分+71.4%、5月分+85.6%、6月分+77.2%、7月分+84.8%、8月分+91.4%、9月分+80.1%、10月分+63.5%に続き9ヵ月連続の増加である。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2021年11月分「機械受注」のデータ』を参照)。

 

(2022年1月17日)

 

宅森 昭吉

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

理事・チーフエコノミスト

 

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    三井住友DSアセットマネジメント株式会社 理事・チーフエコノミスト

    旧三井銀行(現三井住友銀行)で都市銀行初のマーケットエコノミストを務める。さくら証券チーフエコノミストなどを経て現職。
    パイオニアである日本の月次経済指標予測に定評がある。身近な社会データを予告信号とする、経済・金融のナウキャスト的予測手法を開発。その他、「景気ウォッチャー調査」などの開発・改善に取り組んできている。「より正確な景気判断のための経済統計の改善に関する研究会」など政府の経済統計改革にも参画。「景気循環学会」常務理事。
    著書に『ジンクスで読む日本経済』(東洋経済新報社)など。

    著者紹介

    連載【宅森昭吉・理事・チーフ エコノミスト】エコノミックレポート/三井住友DSアセットマネジメント

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