国土交通省観光庁によると、2021年の国内旅行者数は前年に比べて半減。新型コロナウイルスの影響により、国内旅行等のレジャーが大きな影響を受けました。ところが2021年のキャンプ人口は、前年より約30%減にとどまっています。多くの業界が利用者減に悩む中、なぜ、キャンプ業界は盛り上がっているのでしょうか。アウトドアビジネスに詳しい村瀬功氏が、近年のキャンプブームについて解説します。
「非アウトドア業界」にも「アウトドア化」の兆し
今までアウトドアの要素が薄かった業界にも、近年、アウトドア化の波が押し寄せています。
アパレル産業においては、ワークマンは作業服からアウトドアアパレルへシフトしたことで大きく業績を伸ばしました。
また、アパレル商品の中で、防水性や耐久性といった優れた機能性とデザイン性を合わせ持っているものはシーンを問わず使用できることから、キャンプやハイキングなどのアウトドア利用として購入されているケースが近年増えています。
実際に、そういったニーズや時代の流れを汲んで、アウトドア利用を想定に入れたプロダクトもリリースされています。
汎用性の高いアイテムが広がり身近になることにより、アウトドアが“余暇”から“日常”に近づいているとも言えます。
外食産業においては、飲食店におけるテラス等の外空間での飲食スタイルやバーベキューが浸透してきています。
不動産業においては、“家でキャンプ”というライフスタイルが住宅のデザインを変えつつあります。大手ディベロッパーがキャンプフィールド付きのマンションが販売し、子育て世代に好評なようです。都会の自宅マンションにいながら、自室から続くベランダやマンションの共用スペースで、キャンプやBBQを楽しめる「半そとの暮らし」が実現できると評判です。
村瀬 功
株式会社SOTO CFO 代表取締役
公認会計士・認定事業再生士
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株式会社SOTO CFO 代表取締役
公認会計士、認定事業再生士
1980年富山県生まれ広島県育ち。東京大学経済学部卒。社内にCFO(最高財務責任者)が居ない中小・ベンチャー企業に対して、社外の立場からCFOの機能を担う、アウトドアビジネス専門の社外CFO。
公認会計士として監査法人・会計コンサルティング会社で計11年実績を積んだ後、国内最大手スキー場運営会社に経理・IPO実務責任者として参画しIPOへ向けて邁進。ところが50年に1度と言われた大暖冬に見舞われ、一転して危機的状況を迎える。スポンサーから大型資金調達を行い難局を乗り越えた後、CFOとして会社の再建を支えた。その後国内大手合宿施設運営会社及び子会社の国内最大手キャンプ場運営会社のCFOを務め企業成長を推進した。
2021年に「社外CFO」として独立。企業経営をファイナンス・コーポレート面からバックアップし、社長のよき参謀・相談相手となっている。成長企業の財務マネジメント・資金調達・IPO準備の要諦を一気通貫で分かりやすく伝え、ともに手を動かし伴走するスタイルは、CFO経験者ならではと高い評価を受けている。
「豊かな自然の中での非日常体験が人生を豊かにする」と価値を信じ、アウトドアビジネスの健全な発展に寄与することが自らの使命と感じている。
【株式会社SOTO CFO(https://sotocfo.co.jp/)】
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