コロナ禍では、3密を避けた宿泊・レジャーとして注目
■国内旅行者は「半減」したが、キャンプ人口は「30%減」止まり
日本オートキャンプ協会の『オートキャンプ白書2021』によると、2020年のオートキャンプ人口(1年間に1泊以上オートキャンプをした人の数)は610万人であり、2019年の860万人から約3割の減少となりました(図表2)。コロナ禍により2020年4月・5月のゴールデンウィーク時期のキャンプ場の閉鎖が大きく影響した結果です。
国土交通省観光庁発表の『観光白書 令和3年版』によると、「日帰りを含む国内旅行者」の数は、前年の約50%となっていることから比較すると、キャンプ人口の前年比30%減という数字は、キャンプが「3密」になりにくいレジャーとして認識され、国内旅行等のレジャーよりコロナの影響が少なかったことを物語っています。
■コロナ禍では特に「ソロキャンパー」が増加
『オートキャンプ白書2021』によると、2020年のキャンパーの傾向について調査した結果、最も傾向が大きかったのが、「ソロキャンパーが増えた」65.6%(2019年は51.7%、2018年は36.2%)であり、2017年から比較して3倍近く増加した結果となりました(図表3)。
キャンプに限らず「ひとり旅」が増える傾向にあります。スマートフォンの普及により、一人でアウトドアを楽しみながらSNSなどを利用して他者とつながることで、一人気ままに過ごしたい願望を満たしつつ孤独感や不安感の緩和に繋がっていると言えます。
キャンプ経験者でないキャンプビギナーの人口は例年と比べ増加しています。
キャンプ場は、社会的な風潮として、新型コロナウイルスによる利用者減には陥っておらず、逆に3密を回避した余暇の過ごし方として注目を集めています。新型コロナウイルス感染リスクの低い屋外での活動が好まれており、人々がアウトドアを楽しむことが増えています。3密を避ける宿泊・レジャーとしてキャンプ場の人気が上昇しています。