(※写真はイメージです/PIXTA)

株式会社武者リサーチの武者陵司氏によると、世界中の投資家は現在「日本株の動向」に熱い視線を注いでいるそうです。それは「日本の株価が今後さらに上昇していくことはほぼ確実である」からだそう。では、いったいなぜそこまで日本株の上昇期待が高まっているのか、詳しくみていきましょう。

超割安に好需給…日本株の魅力は?

日本株式も米国株に劣らない、魅力を備えている。それは魅力的なバリュエーション好需給である。

 

国際分散投資における長期資産配分に際しては、資産価格サイクル(スーパー・バブルサイクル)が重要である。資産価格の上昇下落の循環は、各国毎に10~数10年の固有の周期が観測でき、投資家にとって幸運なことに、この資産価格サイクルは国によってまったく位相が異なっている。よってサイクルの高値にある国の資産を売って底値にある国の資産を買えば、長期的運用成果を大きく高めることができる。

 

出所:武者リサーチ
[図表1]各国別長期資産価格サイクルの諸相 出所:武者リサーチ

 

主要国の資産価格サイクルを図示すると、中国赤信号、米国青から黄色への境目、日本青信号となる。中国は史上空前のバブルをサイクルのピークを過ぎたところにあり、不動産価格の底入れははるか先であろう。資産投資は抑制し、cash is Kingに徹するべきだ。

 

中国政府はバブル対策として10兆元の地方融資平台などの隠れ債務の肩代わりを発表したが、バブルの規模からすれば焼け石に水に過ぎない。

 

中国で求められる不良債権最終処理額は膨大なものである。①地方融資平台の債務残高66兆元(=1,300兆円)、②家計債務の累積額(2009~2022年)10兆ドル=70兆元、③中国国内の売れ残り新築物件の在庫は9,000万戸(単価2,000万円と見積もっても1,800兆円=90兆元)などから、ざっと見積もっただけでも60兆元、GDP比約6割の処理が必要である(ちなみに日本の場合地価はピークから8割下落して底入れした。この間発生した不良債権は100兆円、対GDP比20%の不良債権が処理された)。

 

米国では資産価格は概ねフェフバリューにあり、金利急騰が起きれば、直ちにバブル化する、黄色信号寸前の状態にある。リスクテイクには警戒心が望まれる場面である。

 

それらに対して日本は、バブル崩壊後の底入れからしばらく経った局面であるが、資産価格は割安水準にある。日本における投資リスクは日本株持たざるリスクであり、ほぼすべての投資主体は日本株を執拗に買い続けざるを得なくなる。

 

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次ページ日本株の一段高が「ほぼ確実」といえるワケ

※本記事は、武者リサーチが2024年12月20日に公開したレポートを転載したものです。
※本書で言及されている意見、推定、見通しは、本書の日付時点における武者リサーチの判断に基づいたものです。本書中の情報は、武者リサーチにおいて信頼できると考える情報源に基づいて作成していますが、武者リサーチは本書中の情報・意見等の公正性、正確性、妥当性、完全性等を明示的にも、黙示的にも一切保証するものではありません。かかる情報・意見等に依拠したことにより生じる一切の損害について、武者リサーチは一切責任を負いません。本書中の分析・意見等は、その前提が変更された場合には、変更が必要となる性質を含んでいます。本書中の分析・意見等は、金融商品、クレジット、通貨レート、金利レート、その他市場・経済の動向について、表明・保証するものではありません。また、過去の業績が必ずしも将来の結果を示唆するものではありません。本書中の情報・意見等が、今後修正・変更されたとしても、武者リサーチは当該情報・意見等を改定する義務や、これを通知する義務を負うものではありません。貴社が本書中に記載された投資、財務、法律、税務、会計上の問題・リスク等を検討するに当っては、貴社において取引の内容を確実に理解するための措置を講じ、別途貴社自身の専門家・アドバイザー等にご相談されることを強くお勧めいたします。本書は、武者リサーチからの金融商品・証券等の引受又は購入の申込又は勧誘を構成するものではなく、公式又は非公式な取引条件の確認を行うものではありません。

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