写真:PIXTA

新型コロナ感染症に左右された、2021年の世界の株式市場。それはコロナ禍前、「世界一の投資適格国」と称されたフィリピンも同様です。2022年、フィリピン株式市場の展望について、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターである家村均氏が解説します。

2022年5月…フィリピン大統領選の行方

2022年は、フィリピンはElection Yearつまり5月の大統領選が行われます。当然株式市場に大きな影響がありますので、最後に大統領選視点で市場の動きを展望します。

 

一般的にフィリピンでは、各候補者が景気浮揚のための大型インフラプロジェクトを提唱します。今のドテルテ大統領のビルド・ビルド・ビルド政策がまさにそれです。ですから、インフラ会社や建設会社、セメント会社などにメリットがあります。

 

この視点で行くと、かつての独裁者マルコス大統領の息子・通称ボンボン・マルコスことフェルディナンド・マルコス・ジュニアとモレノ・マニラ市長の2人の候補者は、ビルド・ビルド・ビルドプロジェクトを継続することを公約としています。

 

もう一人の有力候補で現副大統領のロベルド氏は、現役の副大統領なのですが、ドテルテ大統領とは政策的な対立軸があります。ですから、現政権の政策をそのまま継承する可能性は低いと見られています。

 

同候補は、ドテルテ氏の前の大統領アキノ氏と同じ政党なので、類似した政策をとるものと考えられています。アキノ政権下のフィリピンの経済は、好調でした。そして、インフラ整備もしっかり行われていました。違いは、アキノ政権時は、PPPなど民間活力を積極活用した形をとっていたとうことです。

 

交通インフラを中心とする社会公共インフラの整備が、フィリピンの今後の経済飛躍にとって最も重要であることは、政府・国民の合意事項ですので、誰が大統領になろうともこのインフラ整備は粛々と進められ、国民にとっての最重要課題である国の経済成長と国民の所得向上を実現する政策が推し進められると見られています。

※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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