本記事は、シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社の『マーケット情報』を転載したものです。

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2022年の不動産市場は、特定のサブセクターが牽引

【本記事のポイント】


・原材料価格の上昇と労働力不足が物価を押し上げています。これらの費用を販売価格に転嫁できない企業は苦しむことになるでしょう。
・継続的な供給不足と需要の高まりから、2022年の不動産市場は、特定のサブセクターが牽引するでしょう。
・パフォーマンス水準はサブセクター間で多様化すると予想されます。住宅セクターは、予想を上回るインフレの上昇に直面しても、十分な価格決定力をもち、実質リターンをもたらすでしょう。

価格決定力が2022年の鍵に

サプライチェーンの混乱は商品のインフレを引き起こし、これは現在、労働市場に影響を与えています。不動産市場ではどのセクターでも原材料を使用し、人材を雇用しており、これらのコストを顧客に転嫁できない場合には悪影響を受けます。

 

ただし、貸倉庫、物流施設、データセンター、住宅などの特定のサブセクターでは供給不足が続いており、新規の価値がある供給が限定的なことから、2022年に成長する可能性が高いセクターとなるでしょう。

 

これらの4つのセクターは、現在の環境で良好なパフォーマンスになるとシュローダーでは考えています。これらのセクターは、コストプッシュ型インフレの影響を受けておらず、継続的な需要の恩恵を受けています。

 

住宅

 

住宅セクターは2022年に最も強力なパフォーマンスを上げる可能性があるとシュローダーでは考えています。需要は供給を上回り続けており、金利の上昇は住宅の購入価格および建設費用のさらなる上昇を引き起こします。これは、住宅の新規供給の抑制につながり、手頃な価格での住宅は、資本コストが相対的に低い住宅関連機関を通じてのみ提供されます。 

 

賃貸事業も、すべての市場セグメントで力強い成長を遂げるはずです。米国の戸建住宅の供給は1970年代以来の最低水準となっており、住宅価格は急激に上昇しています。

 

物流施設

 

物流施設セクターには充足できないほど強力な顧客のスペース需要という追い風があります。多くの市場でeコマースは売上高の40%以上を占めており、ラストマイルデリバリーを可能にする立地の良い都市部の物流施設は不足しています。堅調な株価のパフォーマンスは、さらなるリース需要の高まりを背景としていますが、運営ファンダメンタルズも堅調です。

 

デジタル・インフラストラクチャー

 

2022年は、デジタル・インフラストラクチャーが重要な焦点となるでしょう。インターネット接続されたデバイスの急増とソフトウェア需要の増加により、これらの資産は世界経済のデジタル化の中心となります。

 

貸倉庫

 

貸倉庫には多くのポジティブな特性があります。 現在の低水準の供給、強力な価格決定力、および優れた運営プラットフォームにより、このセクターの多くの企業は、ビジネスにコストをかけることなく、より高い販売価格を提示することができます。すなわち強力なインフレヘッジになりえます。

 

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