苦戦が予想されるセクター
ショッピングモール、オフィス、住宅建設業者
高い原材料価格と構造的な脆弱性から次の3つのセクターは2022年にアンダーパフォーマンスが予想されます。
ショッピングモールは、2021年までの好調な回復にもかかわらず、苦戦が予想されます。ショッピングモールは消費者の裁量消費分野への支出を伴うテナントで運営されているため、生活必需品のコストが上昇するにつれて、インフレ上昇の悪影響を最も受ける可能性があります。モール内のテナントの店舗従業員への依存度も高く、その賃金を引き上げる必要があるでしょう。
住宅建設業者と宿泊施設もまた、高い賃金コストに対して脆弱です。住宅建設業者は、金利が上昇した場合、住宅価格が調整局面に入るまでは価格転嫁が可能かもしれません。宿泊施設は、Covid-19危機による旅行制限が継続しており、不確実性が高く、脆弱です。
企業が新しい働き方に適応するにつれて、オフィスも急速に進化しています。ロックダウンはオフィス市場の細分化を引き起こしました。すなわち最高品質の物件だけが従業員を職場に呼び戻すことができるでしょう。良好な立地にあるオフィスが不足する可能性がある一方で、不利なオフィススペースは陳腐化が予想されます。
困難な市場環境においても投資機会はある
シュローダーが選好しているセクターの実物資産は、インフレに対する強力なヘッジになると確信しています。これらのセクターは、インフレが加速する局面において必要不可欠となる、価格決定力を有しています。サブセクター間でのパフォーマンスは多様化し、一部のセクターのみがインフレの上昇に追随することができるでしょう。
2022年の不動産セクターからのリターンは、大幅な上昇となった2021年の水準に匹敵する可能性は低いと思われますが、一部の債券など他の資産クラス対比では魅力的となる可能性があります。
困難な市場環境においても投資機会はあり、魅力的な場所にある物件に投資することで、潜在的な逆風に対する最善のプロテクションを得ることができるとシュローダーでは考えています。 また強靭なバランスシートを持つ投資先企業は2022年も良好な業績を上げると考えられ、ポジティブなスタンスを維持しています。
福澤 基哉
シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社
執行役員/プロダクト統括
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