「デジタル化」「脱炭素化」がもたらす新たな投資機会
新興国市場では構造的なプラス要因が引き続き顕在化しており、新たな投資機会をもたらす可能性が高くなっています。主なテーマとして、デジタル化が挙げられます。
特に中国における規制強化の動きを受けて、成長を続けるインドのインターネット経済には新たな成長分野を求める資金が流入しています。電子決済、フードデリバリー、その他の革新的なビジネスモデルが登場し、従来型の企業も競争に勝ち抜くために技術革新に乗り出しています。
中国では、バリューチェーンの高度化に伴い、工業分野のデジタル化が勢いを増しています。世界的に見れば、半導体不足が続き、技術進歩に伴う旺盛な半導体需要が明確化しており、台湾や韓国などの世界の大手半導体メーカーで好調な業績が見込まれています。
脱炭素化も注目すべきトレンドのひとつです。主な新興国は、温暖化ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンゼロを掲げており、電化や再生可能エネルギーの取り組みは加速し、関連産業にとって数年間にわたって追風となる見込みです。
我々は、韓国では電気自動車用バッテリーメーカーが、中国では太陽エネルギー企業が成長を加速させ、各業界で世界最大手となるのを目の当たりにしています。
新興国市場がもつ「経済・企業」双方のリスク耐性
我々の基本シナリオにはない特定のリスクにより、新興国市場全体の見通しが変わる可能性もあります。
例えば、米国のフェデラルファンド金利(FF金利)の誘導目標が突如として急激に引き上げられた場合、市場のボラティリティは高まる可能性があります。逆に、米国の金融政策が予想外にハト派寄りに転じた場合、新興国市場のパフォーマンスは先進国市場を上回る可能性があります。
また、足元でパンデミックが続く中、より危険な変異ウイルスが出現する可能性もあります。オミクロン株の出現を受けて市場が大きく動揺したことは、今後も不透明要因が残っていることを思い起こさせますが、オミクロン株については、現時点で懸念されていたほど重症化リスクは高くないことが示唆されています。
また、我々は台湾海峡を隔てた中台関係の緊迫化も注視しています。投資環境が変化する中、新興国市場の重要な特徴としては、経済と企業双方のリスクへの耐性が挙げられます。
とりわけ重要なのは、新型コロナウイルス、政策変更、技術革新、その他の試練に直面した場合の企業収益の持続性です。デジタル化、脱炭素化、その他の変革のトレンドに沿った構造的な成長ドライバーを持つ企業が長期的な勝ち組となり、新興国市場の株式を下支えすると考えています。
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