ハイパフォーマーを育てるには「絶対評価」が有効なワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

日本企業が労働生産性を高めるには、どうすればよいのでしょうか? 長時間労働が見直され、社員の能力を上げようにもすぐに結果を出すのは難しい…。そんな現代日本においては、人材の「パフォーマンス」を高めることが効果的です。事例とともに、ハイパフォーマーを育てる実践的な方法を見ていきましょう。

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本来、研究開発部門にはローパフォーマーが少ないが…

ハイパフォーマーを育成するという観点から、評価の方法について、A社の例を紹介します。

 

A社はトップシェア商品をもっている優良企業です。ところが人事部門の担当者がボヤいていたのは、「しばらく画期的な新商品が出ていない」ということでした。

 

そこで、ストレスチェックの結果を元にビジネス適応力(=どんな仕事・どんな職場・どんな上司でも柔軟に対応し、困難を乗り越えようとする能力)の状況を判定してみると、商品開発の要である研究開発部門にローパフォーマーが少なからずいることが分かりました。

 

一般的な傾向として、研究開発部門は仕事の難易度が高く、業務の量(残業)が多くなります。しかし事務部門などと比較すると、メンタル不調に陥る人が少ないのです。これはストレス増強要因のうち仕事の量と仕事の難しさによるストレスが強いにもかかわらず、そのストレスを緩和する働きがある業務の決定権や裁量権、業務を通じて得られる達成感が強く効いているため、多少つらくても頑張れる仕事だからです。つまり、研究開発部門はストレス増強要因が大きいが、ストレス緩和要因も効いている「活性化職場」になるので、黄信号、赤信号の従業員は一般的に少なくなります。

 

ちなみに仕事の難易度が低く、仕事量も少ないが、業務の決定権も達成感も低い部署はやりがいが感じられない職場として、赤信号や黄信号の従業員が増える傾向があります。研究開発部門はそもそも活性化職場としての傾向が強く、ローパフォーマーが少ないことが予想されましたが、A社では例外的にローパフォーマーが多かったのです。

株式会社医療産業研究所 代表取締役

北海道生まれ。大学卒業後、医療関連メーカーに入社。市場調査・商品企画・事業計画・販売計画策定・新商品の市場導入など、マーケティングを初歩から一通り経験したのちに退社。

1986年に医療分野における調査・コンサルティングに特化した専門企業として、現在の医療産業研究所を共同設立し、1994年より現職。設立以来35年にわたり、中央官庁、地方自治体、公益法人、大学等教育機関、官民研究機関、医療機関・団体、民間企業等、幅広いクライアントから、保健・医療・福祉に関する多様なテーマでの調査依頼を受託してきた。2003年に、筑波大学と産学協同で開発したストレスチェックツールを基軸に、メンタルヘルス事業へ参入。2015年の労働者へのストレスチェック義務化による市場拡大を経て、現在に至る。

近年は、医療関連分野の調査業務で培った専門知識・データ解析技術を駆使して、企業の生産性向上を実現させるための提案を行っている。

著者紹介

連載どんな企業でも生産性アップ!ストレスチェックを活かした「科学的人事」

※本連載は、梅本哲氏の著書『サイエンスドリブン』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

サイエンスドリブン 生産性向上につながる科学的人事

サイエンスドリブン 生産性向上につながる科学的人事

梅本 哲

幻冬舎メディアコンサルティング

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