(※写真はイメージです/PIXTA)

医師に限らず資産運用には「やる」リスクと「やらない」リスクがあります。一方で、少子高齢化などに伴う増税が今後も続く見込みの日本では、やらないでいることも大きなリスクになります。「やる」リスク、「やらない」リスク、いったい医師はどちらをとればいいのでしょうか。その答えは確率にあり、資産運用をやらないでいたら、インフレや増税などによってほぼ100%目減りするというのはトライブホールディングス社長の大山一也氏です。今回は「節税効果」を活用した 不動産投資と具体的な運用方法を明らかにします。

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高額所得の医師だから高い節税効果

医師の皆さんに効率よく資産形成していただくために、不動産の運用をお勧めしています。その理由のうち、最も直接的に、かつ端的にそのメリットを実感してもらえるのは医師にとって、極めて節税効果が高いということです。

 

医師の皆さんは毎年納税している額に驚いたことはありませんか。

 

所得税の税率は年収900万円を超え1800万円以下なら33%、1800万円を超え4000万円以下なら40%、4000万円超で45%となります。年収1500万円なら33%の495万円。さらに10%の住民税もかかるので合計43%の645万円が税金として消えていきます(分かりやすくするために各種控除額は考慮していません)。

 

つまり税金や保険料を差し引いた自由に使える可処分所得は、数百万円といったところです。額面上は一般的なサラリーマンの倍以上稼いでいるにもかかわらず、実際に自由に使えるお金は、それほど変わらなくなるのです。

 

世間では高給取りと思われながらも、稼いだお金のおよそ半分は自動的になくなってしまうこの現実。私のクライアントの医師たちの多くは、

 

「稼いでも稼いでも税金で取られる」
「ものすごく忙しく働いているのに、これだけしか残らないのはむなしい……」
「税金のために働いているようだ!」

 

と言っています。

 

それはそうでしょう。645万円といえば35歳から39歳男性サラリーマンの平均年収より150万円も多いのです。たとえるなら自分自身でエリートサラリーマン1人を雇っているようなものです。人々のために一生懸命働いているのに、いくら税金とはいえそんな大金が毎年無くなっていくことが悲しくないはずはありません。

 

しかし、いくら悲しんでも何もしなければ自動的に納税しなければならなりません。今の皆さんはまさに武器を持たずに「丸腰」で戦いに挑んでいる状態なのです。

不動産運用であれば「損益通算」ができる

そこで考えたくなるのが節税対策です。

 

皆さんのような高額納税者にとって不動産運用は非常に相性がいい。なぜなら不動産から得た収入は、勤務医としての給与所得と合算する「損益通算」してから確定申告できるからです。

 

これだけ聞くと当たり前のように思うかもしれませんが、株式投資やFXで得た不労所得は損益通算できません。これらは給与とは別途に計算し、その額に応じて納税しなければならないのです。給与と合算できるのは、事業所得だけです。ここが株やFXと不動産運用の決定的に違うところです。

 

不動産は日本経済を左右する要です。だから国策として不動産に関する収益は税制上優遇されているのです。

 

事業所得は、家賃などで得た収入から減価償却費や金利といった費用を、事業損失として差し引いて計上することができます。

 

減価償却とは、事業を行うにあたって必要な建物や高額な設備などの購入費を、一度に経費計上しないで何年かに分けるという考え方です。

 

建物などは大変高額なので、たとえば法人の場合は一度で経費計上してしまうと、その年の決算が大赤字になる可能性があります。また、このような建物や高額な設備は1年限りの消耗品ではなく数年にわたって使用できるものなので、使う年数に応じて小分けに計上するのが合理的とも言えるでしょう。

 

国はそれぞれの物品に耐用年数を定めています。計上する金額は、購入金額をその年数で割ったものになります。

 

おもな物品の耐用年数は次のようになっています。

 

◉鉄筋コンクリート(RC 造)住宅 47年(病院用は39年)
◉木造住宅 22年
◉給排水、ガス設備 15年
◉普通自動車 6年
◉コピー機、テレビ 5年
◉パソコン 4年

 

不動産運用を行えば、必要不可欠な建物やOA機器などの減価償却費を、勤務医としての収入から差し引いて確定申告できるのです。

高額納税者が不動産投資に向いている理由

では、高額納税者にとってなぜ損益通算できる不動産運用が向いているかを具体例で説明しましょう。下記の図表を見てください。

 

たとえば勤務医としての給与所得が年間1500万円だったとします。税率は所得税33%プラス住民税10%で43%ですから、納税額は645万円(納税額①。分かりやすくするために各控除は考慮しません)。

 

ここで1億円の物件を自己資金1000万円、銀行からの融資9000万円で購入します。物件を購入すると減価償却費や金利、登記代、火災保険料、リフォーム代などが経費として認められます。

 

減価償却費が約450万円、金利が約150万円、その他を合計すると約1200万円が経費となります。

 

ただし、この物件は家賃収入が年間約1000万円あります。そこで経費から家賃収入を引きます。

 

1200万円(経費)- 1000万円(家賃収入)=200万円(不動産運用年間損益③)

 

この200万円を給与所得から引く損益通算ができるのです。

 

1500万円(給与所得)- 200万円(不動産運用損)=1300万円

 

すると納税額は次のようになります。

 

1300万円×43%=559万円(納税額②)

 

物件を持たないときの所得税が645万円ですから、不動産運用することで86万円の節税(④)が実現しました。

 

このように不動産運用は、高額納税者になればなるほど節税効果が期待できます。つまり「医師は負けにくい」のです。

 

不動産運用は昔から「ミドルリスク・ミドルリターン」と言われています。ある程度まとまった資金が必要ですし、株やFXのように「1週間で3倍になった」といった大儲けは望めません。

 

しかし、医師に限っては常々「ローリスク・ミドルリターン」だと説明しています。なぜならここまで説明してきたように、レバレッジ効果が高い上に、節税効果が大きいからです。

 

ちなみに節税の事務手続きは、勤務先が源泉徴収の年末調整をした後に、自分で確定申告をすることになります。

 

不動産投資は家賃収入によるインカムゲイン

不動産投資では、節税はあくまで一時的な効果でしかありません。もちろん、節税も行いますが、長期的には家賃収入によるインカムゲインを狙っていきます。

 

200万円の不動産運用損に対して、節税効果が86万円では、114万円のマイナスではないか、と思われた方、心配ありません。

 

前述の運用損には、「減価償却費450万円」が含まれていることに注目してください。この減価償却費450万円というのは、損益通算上マイナスとして計上していますが、実際に皆さんの手元にある現金等のキャッシュが減るわけではありません。

 

一方で諸経費については、物件の購入時には、不動産取得税や登記代、火災保険料、リフォーム代などさまざまな経費がかかるので、その分は実際の支出となります。

 

しかし、これらの経費は5年後に資産10億円にするための先行投資です。けっして無駄ではありません。しかも毎年払うことのない建物の減価償却費が半分近くを占めているので、実際には現金が手元に残ります。さらに給与所得と損益通算できることで節税効果もあるのです。

 

もちろん不動産運用は、家賃収入がローンの返済も含めて支出よりも多くなり、黒字になるのが大前提です。この前提がなければやる意味がありません。

 

一方で不動産運用を始めてから1年から2年は、このように諸経費がかかるため、マイナス決算になることは想定しておくべきです。

 

不動産運用とは、この期間を過ぎたら黒字になる物件を購入することです。黒字になれば、給与所得と合算して節税対策をすることはできなくなります。

 

ですから節税はあくまでも最初の効果として、長期的には当然、運用(=家賃収入)によるインカムゲインによって資産を増やしていく、というものだということはおさえておいてください。

 

新型コロナの感染拡大で世界中が大混乱していますが、この危機は見方を変えると不動産投資のチャンスともいえます。医師の属性を充分に活かせば「不動産」と「金融」によって、どんな医師でも数億円単位の資産をすぐに持つことができると語るのがトライブホールディングス社長の大山一也氏です。今回は医師にしかできない資産10億円を実現する収益物件活用プランを明らかにします。

 

大山 一也

 

 

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本連載は大山一也著『資産10億円を実現する医師のための収益物件活用術』(GMC)の一部を抜粋し、再編集したものです。

資産10億円を実現する 医師のための収益物件活用術

資産10億円を実現する 医師のための収益物件活用術

大山 一也

幻冬舎メディアコンサルティング

旧来の医療体制が瓦解し始めた今、医師たち一人ひとりに求められているのは勤め先の病院に頼らない、自らの開業をも見据えた確固たる基盤づくりであり、なかでも最も重要なのは資産形成である。資産形成にはさまざまな方法があ…

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