(※写真はイメージです/PIXTA)

医師になってお金に困る――、そんなことを考えたドクターは少ないでしょう。厚生労働省の調査によると1440万円で、確かにお金に困るようには思えません。トライブホールディングス社長の大山一也氏によると、医師の所得はいま、二極化しているといいます。所得の高いドクターは「資産家ドクター」です。年収で1000万円以上を稼ぎながら、なおかつ資産運用などで将来を見据えた資産形成に余念のないドクターたちだといいます。本連載で大山氏が医師はどのように資産形成、資産運用しているのかを明らかにします。

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医師が目標とすべき資産の10億円の意味

医師のための具体的な資産形成の方法について述べていきます。

 

まず、幸い医師の皆さんは一般的なサラリーマンよりも収入が多い。これは資産形成の上で、非常に大きなアドバンテージになります。

 

勤務医の年収は1500万円前後ということですから、平均月給にすれば100万円から120万円。一方で35歳から39歳男性の平均年収は437万円、40歳から44歳は470万円ですから確かに高所得です。※令和2年分民間給与実態統計調査より

 

この現状をまず確認した上で、それではここから、一体どのくらいの資産を形成することを目指すか?

 

行動するにしても目標が定まらないと、どのような動きをすればいいかが見えてきません。

 

目標として皆さんは、将来いくらぐらいの資産を希望しますか。

 

たとえば仮に最終ゴールを開業とすればどうでしょうか。開業資金を蓄えるといっても場所や診療科目によってさまざまですが、土地と建物、そしてX線撮影装置や超音波診断装置などの各設備を含めて、最低でも1億円は必要でしょう。

 

さらに家庭に必要な資金を忘れてはいけません。子どもの教育費であれば、医学部を目指すなら、その6年間の学費は国公立大学に入学の場合で約350万円。しかし、私立ならば多くが3000万円前後、高い大学なら5000万円近くになります。子ども2人なら6000万円以上です。

 

そのうえ悠々自適な老後生活を送ることを考えると最低でも数億円……。

 

しかし、心配には及びません。これをサラリーマンの平均年収から資産形成しようと思えば、難しいと言わざるを得ませんが、皆さんは幸運にも医師です。

 

私がこれまでコンサルティングしてきた経験から言って、最低でも3億円は堅い。現実的に考えて5億円は普通に達成できます。

 

しかし、まずは目標ですから、ここは10億円と設定してみましょう。できれば資産10億円あれば理想ではないでしょうか。しかも開業や教育費を考えると、できるだけ早い時期にこの金額を達成したいところです。

 

そこで本連載では5年以内に資産10億円を目指すことにします。

医師はどう資産形成をすればいいのか?

とはいえ、いくら収入が多いといっても、これだけで資産10億円にするのは無理があります。毎年1000万円貯蓄しても100年かかってしまうのですから。

 

この医師の高収入を活用する方法はいろいろあります。

 

医師向けの有名なポータルサイト「m3.com」の2017年の調査では、医師の資産運用に関する調査結果は次のように出ています。「どのような資産運用をしているか」という問いに対して一番多かった答えが「普通・定期預金」(49.6%)。そして「何もしていない」(32.06%)、「株式」(30.1%)と続き、「不動産投資」は7番目(7・9%)でした。

 

『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏は、資産とは「あなたのポケットにお金を入れてくれるもの」と言っていますが、資産はすなわちそのもの自体がいつでも現金化できて、定期的に収益を生み出してくれるものでなければいけません。

 

ところが調査結果で一番多かった「普通・定期預金」の金利は0.01%から0.3%(2021年11月月現在)といったところです。1000万円預けても年間2000円から3万円の利息です。これでは前述のような「資産」とはいえません。

 

一方で株式はどうかというと、デイトレードの世界ではその売買は1秒を争います。少しでも目を離すとチャンスを失います。比較的長期の保有を前提とするにしても、ビジネスの動静には常に目を配っておかなければなりませんし、そもそも「目利き」ができなければなりません。毎日寝る間を削ってまで激務をこなし続ける皆さんに、株の値動きをチェックする時間があるでしょうか。とても定期的に利益を生むとは思えません。

 

「何もしていない」が2番目に来ていることから、現状ではほとんどの医師が資産運用を行っていないことが分かります。

 

手軽な副収入ということでは、近年はインターネットショップやアフィリエイトも人気のようです。

 

しかしインターネットショップは、商品の仕入れから在庫管理、受注の対応、商品の発送などをすべて行わなければなりません。従業員を雇うなら可能かもしれませんが、軌道に乗る前にそこまで準備を整えるかどうか考えものです。

 

アフィリエイトとは、インターネット広告の課金方式の一つです。最初にウェブサイトやブログを開設し、そこにネット広告を貼り付ける必要があります。その広告を見た一般の閲覧者が、そのリンクを経由して広告主のサイトで会員登録や商品を購入したりすると、一定の料率に従って媒体運営者に報酬が支払われるというものです。

 

当然、そのサイトやブログを頻繁に更新しないと、閲覧数を伸ばすことができません。結果的に誰からも広告を見てもらえず自然消滅に、ということがほとんどのようです。

 

どちらにしても超多忙な医師の皆さんには向かないでしょう。

 

そもそも世界中のプロ中のプロが常にしのぎを削っている株やネット関連ビジネスで、10億円を稼ぐのは至難の業です。草野球の経験もない素人が、プロ野球で4割バッターを目指すようなものです。投資した金額を回収するのさえ難しいでしょう。こんな可能性の低いことに時間とお金を使うべきではありません。

不動産運用による資産形成3つのメリット

私は基本的に時間のない医師にとって理想的な資産運用方法は、以下の3条件に当てはまることが必須と考えます。

 

①予備知識がそれほど必要ない
②管理に時間を取られない
③10億円の資産形成の道筋が具体的に描ける

 

この3条件を満たす数少ない選択肢はそうはありません。

 

その数少ない選択肢の一つが不動産運用です。

 

不動産運用による資産形成は比較的単純なので、それほど苦労せずに身につきます。超難関の医師国家試験に合格した皆さんにとっては余裕でしょう。

 

管理に関しては、プロの管理会社が行います。資産形成の道筋は、収入源が安定した家賃なので着実に描けます。さらに時流が不動産運用を後押ししています。

 

現在、新型コロナウイルスの感染拡大によって欧米各国ではロックダウンが行われ、経済がダメージを受けています。さらに、変異株のオミクロンの感染拡大でさらに世界経済が大打撃を受けています。

 

新型コロナウイルスの影響によって、飲食業界や観光業界をはじめとした複数の業種が大きなダメージを受けたものの、不動産業界の影響は限定的であり、この先もそれほど変化はないとみられています。

 

不動産業界が新型コロナで影響を受けたものはそれだけではありません。テレワークが浸透し社員への出社が求められなくなったことから、オフィス需要の変化も起きています。以前はオフィスビルと言えば大規模なものが一般的でしたが、最近では小さなコンパクトオフィスやシェアオフィスに注目が集まっているようです。

 

その逆で、外出自粛での在宅時間や、テレワーク、オンライン授業が増加したことによって住宅ニーズが大きく変化しています。特に、仕事用のスペースや部屋を確保するため、部屋数が多い物件の人気が高まっています。

 

これらの傾向は今後もしばらく続くでしょう。

 

とはいえ、新型コロナウイルスは終息して、いずれインフルエンザのように季節性のウイルスとして落ち着いていくはずです。ということは今が不動産運用を始める絶好のチャンスなのです。今なら限りなく底値に近い状態で購入が可能です。

 

私の資産形成の提案は、基本的に不動産運用によるインカムゲイン、つまり家賃収入を得る方法ですが、今のタイミングなら不動産の売却益を得るキャピタルゲインも期待できるかもしれないのです。

 

大山 一也

 

本連載は大山一也著『資産10億円を実現する医師のための収益物件活用術』(GMC)の一部を抜粋し、再編集したものです。

資産10億円を実現する 医師のための収益物件活用術

資産10億円を実現する 医師のための収益物件活用術

大山 一也

幻冬舎メディアコンサルティング

旧来の医療体制が瓦解し始めた今、医師たち一人ひとりに求められているのは勤め先の病院に頼らない、自らの開業をも見据えた確固たる基盤づくりであり、なかでも最も重要なのは資産形成である。資産形成にはさまざまな方法があ…

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