オリンパス、東芝…歴史に残る華麗なる粉飾
但し問題はここでは終わらず、根が深いのだろうと思います。2011年に発覚したオリンパスの粉飾決算、2015年に発覚した東芝の不適切会計、ジャパンディスプレイの在庫の過剰計上、など、規模の大小はありながらも、日本においても大手上場企業が、ワイヤーカードのような会計監査の不正粉飾を行っているケースはやはり増えている状況のようです。
特にコロナ禍において、キャッシュフローをどうしていくか(所謂企業をどう延命させていくか)が一番大切である一方で、コロナショック以前の“好業績”の見せ方や会計“不正”の手法は基本的にキャッシュフローを生むものではありません。今後好業績と表では見せていた企業のキャッシュクランチ(現金不足)を生む可能性が高く、同時に会計不正がもっと多く出てくるのかな、と思います。
企業活動がグローバルになりつつあり、大手監査法人が担う役割が広く、そして詳細な深さも求められる一方で、大量の仕事量の割には割り当てられる人数や報酬がとても少ないようでして、要するに公認会計士など資格取得のハードルが高い割には、監査法人での仕事の魅力がなくなっており、見合わない仕事という位置づけになりつつあるようです。
一般企業のビジネスモデルが複雑さを帯びるため、会計監査の仕事が自動化に、すべて取って代わられることはないでしょうし、やはり優秀な人材が継続的に必要とされる業界(監査法人等)とは思います。今後は魅力的な仕事にするなど、業界の改革もあるでしょうが、必然的に優秀な人材の取り合いになるかと思います。
後藤康之
日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)
国際公認投資アナリスト(CIIA)