(※写真はイメージです/PIXTA)

医師であっても「高齢者の異常な言動=アルツハイマー型認知症」と思い込み、誤診することがあります。見極めのために患者としても知っておきたい、医師が持つべき診療スキルについて、医療法人昭友会・埼玉森林病院院長、認知症専門医の磯野浩氏が解説していきます。

患者として見極めたいのは、医師の「XXXへの感度」

特に、認知症においては進行性ですから、「変化」に対する感度が良くないと診断スキルは磨かれません。

 

病前はどうだったのか、いつ頃変化があらわれたのか、もの忘れだけでなく行動にも問題があらわれているとしたらそれはいつからか、といったことは、患者の「今」だけを知ったとて分かりません。

 

心理テストなどの各種検査をしても、明らかになるのは「今」の患者のことだけで、診断の材料としては非常に限定的といわざるを得ないのです。

 

これまでの経緯を聞いてみれば、もしかしたらアルツハイマー型認知症ではなくレビー小体型認知症を疑わせる出来事があったかもしれない、薬でせん妄を起こしたことがあったかもしれない、そもそも認知機能は低下していないかもしれない、など多くの判断材料を得られる可能性があるのです。

 

それを知る努力をしなければ、診断スキルは磨かれないのです。

 

 

磯野浩

医療法人昭友会 埼玉森林病院 院長

※本連載は、磯野浩氏の著書『認知症診断の不都合な真実』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

認知症診断の不都合な真実

認知症診断の不都合な真実

磯野 浩

幻冬舎メディアコンサルティング

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