(※写真はイメージです/PIXTA)

会社の業務・情報システムの生産性や効率性を高めることは経営分析の重要なテーマです。中小企業の業務・情報システムの改善では、アマゾンの事例を分析すれば、自社の業務・情報システムのDX化の課題や問題点を発見することができるといいます。

社風・風土は、他社と比較して把握する

社風や風土は、曖昧で捉えにくいものですが、実際にはコミュニケーションの取り方や意思決定、行動の仕方に影響を与えているので、実は重要な事柄です。

 

社風や風土は、中にいると慣れ親しんで当たり前になってしまっていて感じにくいですが、新しく入社したり、転職したりするとその存在や違いに気づきます。ですから、新入社員や中途入社の人に聞いてみたり、取引先や、顧客に聞いてみたりすると掴みやすいです。ただ、注意が必要なのは、仮にそれが宜しくない評判の場合、それを批判として受け止めるのではなく、外から見るとそう見えているのだと冷静に受け止めることが重要です。

 

社風や風土でよくある特徴を以下に示しますので、自社・自事業について把握してみましょう。

 

(1)明るいvs暗い

 

会社や職場の明るさというのがあります。当然明るい職場の方が活気があり、業績が良くなりやすいのですが、経営者のタイプや職場の管理者のタイプにより、落ち着いた、やや暗い会社や職場というのがあります。

 

(2)ポジティブvsネガティブ

 

(1)とも関連しますが、物事の捉え方がポジティブかネガティブかというのがあります。これは、社員の構成や会社・職場のリーダーの気質にもよります。一般的には、日本人はネガティブな人の比率が多いので、人口比で採用するとネガティブな会社・職場となります。そして、当然ながら、ポジティブな職場の方が業績がよくなります。それは、人間はポジティブな気分の方が新しいことに取り組みやすいからです。

 

(3)内向きvs外向き

 

一般に日本人は内向きになりがちで、内部のことに関心が向きます。内部の人のうわさ話が多い会社は、内向きな会社と言えるでしょう。内向きな会社は内部の人間関係を重視し、新しいことには消極的です。

 

それに対して、お客様やマーケットの動向、競合他社の動向やマクロ環境変化に敏感な会社は、環境変化対応力も高く、その分新しいことに取り組もうとします。

 

(4)仲良しvs反目

 

内部の人間関係がよい会社と、何かにつけ対立・反目しあう会社とがあります。いい意味での競争、ライバル関係ならいいのですが、足の引っ張り合いを行うような関係は好ましくありません。

 

内部の人間関係が良いとコミュニケーションも取りやすく、情報共有や連携がうまく行きます。反対に対立しあっていると、コミュニケーションが悪く、蛸壺化しやすくなります。

 

(5)評価をはっきりさせるvs曖昧にする

 

日本人の特徴としては、評価を曖昧にしがちですが、いいことはいいとプラスに評価し、悪いことをしたら罰するというように信賞必罰にした方が、内部の活動は活発になります。評価を曖昧にしておくと、事なかれ主義に陥りがちです。

 

(6)議論できるvs議論を避ける

 

一般に日本人は対面を気にするので、議論を避けます。議論して負けると対面を失うからです。ただ、問題があったり課題があったりした場合は、議論が必要です。議論を避けていると、問題先送りになります。

 

ポイント
社風・風土は、新しい人や外部の意見・感想を聴く

 

井口 嘉則
株式会社ユニバーサル・ワイ・ネット 代表取締役
オフィス井口 代表

 

 

※本連載は、井口嘉則氏の著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

事業計画書の作り方100の法則

事業計画書の作り方100の法則

井口 嘉則

日本能率協会マネジメントセンター

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