※画像はイメージです/PIXTA

早いもので、あっという間に2022年。さて、今年の日本経済の見通しはどうでしょうか。米国のインフレ状況、新型コロナウイルスのオミクロン株の流行、中国経済なども気がかりです。経済評論家の塚崎公義氏が経済初心者にもわかりやすく読み解いていきます。

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      インフレで米国が金融引締めも、日本への影響は限定的

      米国でインフレ率が高まっており、中央銀行は金融緩和の姿勢を徐々に中立方向に変化させていく方針のようです。株価は米国の金融政策に敏感に反応しますから、投資家の間では米国のインフレ懸念が大きな話題となっているわけです。

       

      しかし、筆者はこの問題には楽観的です。金融政策の実体経済への影響は株価への影響と比べて遥かにマイルドだからです。中央銀行が急激な金融引締めで経済を腰折れさせてしまうとは考えにくく、米国経済のメインシナリオとしては悪くても若干減速する程度でしょう。

       

      米国の金融緩和が縮小すると、米国の資金が海外から引き揚げられるため、経常収支赤字国の経済には影響が出るかもしれません。しかし、世界経済全体に影響が出るほど資金の引き揚げが広がるとも思われないので、日本経済への影響は軽微でしょう。

       

      ちなみに、昨年のインフレは物流の問題、部品の不足、エネルギー価格の高騰、といった要因による悪いインフレでしたが、こうした問題はいまのところピークアウトしつつあるように見えます。

       

      一方で、今年もインフレが続くとすれば、景気の回復にともなって雇用情勢が改善して賃金が上昇し、それが売値に転嫁されることによる良いインフレでしょう。

       

      良いインフレであれば、仮にリスクシナリオとして金融政策が失敗したとしても、インフレになるか不況になるかであって、スタグフレーションに陥る心配は小さいでしょう。それも安心材料の一つですね。

      「中国経済失速の可能性」に注意

      中国経済が変調を見せているようです。昔から言われていて実現して来なかった不動産バブルの崩壊が、狼少年と言われていた状況から一転して実現する可能性が出てきたようなのです。

       

      多くの不動産開発企業が資金繰りに問題を抱えていると言われていて、中国政府はバブルの拡大を抑制しながら不動産開発企業の破綻を防ぐといった難しい舵取りを迫られているようです。

       

      それと並んで筆者が気になっているのは、中国政府が経済の発展よりも共産党政権の安定を優先するような政策を採用していることです。それも、やり方が乱暴なように筆者には思われるのです。

       

      たとえば貧富の格差を縮小するために富裕層に重税を課して、それを貧困層に分配して人心を掌握する、といった政策であれば、人々が事業で成功して豊かになろうというインセンティブは維持されるでしょう。重税を課されても十分な財産が残るくらい大きく稼げばいいのですから、経済成長への悪影響は限定的でしょう。

       

      しかし、あるとき突然「お前のビジネスは共産党政権に有害だ」と言われて禁止されたり懲罰的な制裁を受けたりする事例が散見されるのは、大いに気になる所です。人々が萎縮してしまい、リスクを覚悟してビジネスにチャレンジするインセンティブが減退しかねないからです。

       

      中国政府は、貧富の格差の是正と経済成長の間のバランスが重要であることは理解しているようですが、人々の起業家精神が減退してしまえば、経済成長を維持するのは容易ではないかもしれません。

       

      バブル崩壊や人々の起業家精神の減退によって中国経済が急減速するリスクは、日本経済にとっても大きなリスクと言えるでしょう。内需が弱く、インバウンドも見込めない日本経済にとって、輸出が頼みの綱であるわけで、最大の輸出相手国である中国の急減速は大きな打撃となりかねないからです。

       

      というわけで、今年の日本経済を考える際のリスクとしては、中国経済の急減速をメインに考えておく必要がありそうです。

       

      今回は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的見解であり、筆者の所属する組織等々の見解ではありません。また、わかりやすさを重視しているため、細部が厳密ではない場合があります。ご了承いただければ幸いです。

       

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      塚崎 公義
      経済評論家

       

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