スタート当初は予想以上に少ない「手残り」が問題に
<プロフィール>
団体職員A氏
40歳・男性
大阪市在住
家族構成:A氏、奥様、お子様2人
年収:本人1500万円 妻450万円
金融資産:1000万円(現預金600万円、有価証券400万円)
所有不動産:東京都区分1ルームマンション2戸
<不動産投資を始めるきっかけ・経緯>
夫婦共働きのA夫妻は、2人の年収総額が1950万円あることから何不自由なく生活をされてきました。しかし、2人目のお子様が生まれたことをきっかけに奥様が仕事を辞め、子育てに専念されることになります。
奥様が勤務時代に得ていた収入は450万円。これを別の収入源でカバーできないかと考えたところ、不動産投資であれば不労所得が得られると知り、思い切って取り組む決心をされました。
まずA氏は、大阪市内の不動産業者の紹介で、東京の区分マンションを2戸購入。初めての投資で一棟ものはリスクが高い、投資規模の小さい区分マンションからスタートしましょう、そんな業者の助言に納得し、購入を決めたのです。
ところが1年ほど運用した結果、想像以上に手残りが少なく、このペースで本当に目標とするキャッシュフローが実現できるのか不安が募り始めました。具体的には、投資総額2000万円に対して、最終手残り20万円以下という状況です。1室でも空室が出れば、1年間の利益がすぐに吹き飛ぶ不安定さです。
融資はノンバンクを利用し、金利4%、返済期間30年。とくに問題だと感じたのは、自宅を共同担保に差し入れていた点です。自宅を失う可能性のある条件で融資を受けるのはリスクが高いため、この点も改善の必要がありました。
不動産業者にとっては、ノンバンクを利用するのはラクです。自宅を共同担保にすれば、どのような物件でも5000万円程度は融資が受けられます。ですがAさんの属性であれば、金融機関の選択肢はもっとあったはずでした。
目標
年間300万円の税引き後キャッシュフロー(奥様の給与年収450万円相当)
提案ポートフォリオ
[投資総額]1億5000万円
1棟目 5000万円
2棟目 5000万円
3棟目 5000万円
税引き後キャッシュフロー300万円を投資目標に設定。その金額を実現するため、A氏の自己資金の都合も配慮し、5000万円の物件を計3棟購入する提案を行いました。1棟目から得られるキャッシュフローと貯金を、2棟目の購入原資として再投資し、5年後に3棟目を購入するプランです。
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減価償却による税金還付で手残りが270万円に増加
物件購入(1棟目)
[データ]築25年木造一棟アパート
[金額]5000万円
(うちアパートローン4900万円:返済期間20年、金利3.1%)
[表面利回り]12%
[FCR(ネット利回り)]9.5%
1棟目は築25年の木造アパートで表面利回り12%、価格は5000万円、FCR9.5%という条件です。ポイントは次の3つです。
①土地が350平米以上あり、物件価格が土地価格に近い状態で出口がみえやすい(売却時も同じ金額で売れる可能性が高い)。
②減価償却を多く取ることで節税(税金の繰り延べ)を図り、2棟目、3棟目の購入スパンを短期間で実現できる。
③減価償却が切れる5年目以降にタイミングをみて売却を図り、資産の組み替えを行う。
この物件は、私から見ると非常に良い物件です。売買金額に占める市場土地値の割合が高く、将来の物件価格下落幅が小さいからです。ただし、木造ですでに法定耐用年数を超えているため、融資が付きにくい物件として敬遠されるかもしれません。
その点、当社はファイナンスの知識が豊富なので問題なく融資が受けられました。当社とつながりのある金融機関を紹介し、フルローンに近いかたちでの借入(4900万円)に成功。返済期間は20年と相当長く、金利は3.1%という条件です。
この物件を1年運用した結果、税引き前キャッシュフローで130万円、税引き後キャッシュフローで270万円を実現できました。なぜ税引き後のほうが多いのかというと、減価償却によって不動産所得がマイナスになり、給与所得からの税金還付があるためです。
次回以降、売却までの節税プランを紹介します。
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