生産は伸び加速
■中国国家統計局は15日、11月の主要な経済指標を発表しました。鉱工業生産は前年同月比+3.8%と市場予想をやや上回り、前月の+3.5%から伸び率が小幅に拡大しました。政府の環境規制による電力の供給制限が和らいだことなどから、全体として底堅く推移しました。新エネルギー車や産業ロボットなどのハイテクセクターの生産が引き続きけん引しました。
■新型コロナの影響を受けた昨年の反動を除外するため、2年間の幾何平均でみると、鉱工業生産は+5.4%と2ヵ月連続で持ち直しています。
消費と投資は減速
■一方、小売売上高は前年同月比+3.9%と市場予想を下回り、前月の+4.9%から伸び率が鈍化しました。新型コロナの感染再拡大の影響で飲食業などが減速しました。
■固定資産投資も前年同期比+5.2%と市場予想を下回り、前月の+6.1%から伸び率が縮小しました。政府の不動産規制や不動産大手の経営問題の影響で不動産開発投資が引き続き減速しました。
中国政府の景気支援策で安定的な成長へ
■中国の共産党・政府は8~10日に、2022年の経済運営方針を決める「中央経済工作会議」を開催し、成長率の安定を重視する姿勢を改めて強調しました。穏健な金融政策と積極的な財政政策という大きなフレームワークを継続しつつ、不動産投機抑制の規制は継続するものの、中低所得層向けの住宅開発は推進するなどの修正を行い、景気への配慮を示しました。
■中国の11月の主要な経済指標は、まちまちの動きで全体としては力強さを欠くものの、中国政府の景気支援策により経済の大きな下振れは回避され、先行きは安定的な成長に向かうとみられます。
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(2021年12月16日)
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