(※写真はイメージです/PIXTA)

2022年1月1日から施行される予定の「電子取引の電子保存義務化」について、令和4年度与党税制改正大綱において2年間の猶予期間が設けられることが公表されました。電子帳簿保存法の概要と今回の改正のポイントを、辻・本郷税理士法人の菊池典明氏・猪野茂氏が解説していきます。

猶予のために手続きは必要か?税制大綱を見ると…

猶予の条件は2つあります。

 

まず1つ目は「電子取引の電子保存ができなかったことについて、やむを得ない事情があると、税務署長が認めること」です。「税務署長が認めること」というとなにか特別な手続きが必要なのか?と思えますが、税制大綱の中身を見ると「特段の手続きは不要」と明記されているので心配は無用です。

 

2つ目の条件は、「税務職員の求めに対し、電子取引データについて『整然とした形式かつ明瞭な状態で書面に出力』し、提示又は提出できること」です。こちらは税務調査を想定した条件です。

 

以上2つさえ満たせばよいので、猶予のために特段の手続きはひとまず不要といえます。

今後、どのように対応していくべきか

何が何でも2022年1月1日に間に合わせる必要はなくなりましたが、2023年10月には消費税のインボイス制度がスタートし、2024年1月には電子取引の電子保存が改めて求められるので、この2年間は忙しくなります。

 

システム対応も含めて、2年間の猶予期間を有効に活用していただきたいと思います。

 

2022年1月1日に向けたこれまでの変更では、忙しく、システムについて十分な比較検討ができていなかったのではないかと思います。システムが出揃いますので、2年間で腰を据えてきっちり検討できるとよいでしょう。

 

 

■動画でわかる「電子取引の電子保存義務化に2年間の猶予期間が設けられます!」

 

 

 

辻・本郷税理士法人 DX事業推進室 税理士

菊池 典明

 

辻・本郷税理士法人 特別顧問

猪野 茂

 

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