相続税の税務調査、選ばれるカギは「過去の収入」か…税務署の“システム”事情【税理士が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

相続税税務調査の今年度の傾向と対策、そしてKSK(国税総合管理)システムについて、辻・本郷税理士法人の山口拓也氏が解説します。

「相続税の税務調査」調査官は“いつ、なにを”見てやってくる?【税理士が解説】

調査の対象となる「3つの傾向」と「KSKシステム」

今年も相続税の税務調査に何件か立ち合っていて、調査の対象となっている方に以下の「3つの傾向」があることに気がつきました。

 

●直前に預金を引き出している

●高額の出金が過去に連続してある

●名義預金がある

 

共通点は、通帳の流れが少しイレギュラーであるということです。「過去の出金」から財産の漏れを指摘してくる傾向があると感じていました。

 

そんななか、とある税理士先生のセミナーを聞く機会がありました。

 

そこではKSK(国税総合管理)システムの話をされておりました。これは国税がデータを蓄積しているところで、国税総合管理の頭文字をとってKSKと呼ばれています。

 

亡くなった方や家族の方の給料や役員報酬、退職金など過去の収入のデータが入っています。収入にはほかに株式や不動産などの「譲渡」なども含まれます。

 

さて、このKSKシステムがスーパーコンピューター化されているというのです。スーパーコンピューター化されたKSKシステムに、亡くなった方の過去の年収を入力すると、その年収の平均の預貯金残高が出てくるということです。

 

平均の預金残高と実際に出てきた相続税の申告書を見比べて、極端に少ないなど「バランスが悪い人」を発見し、調査先を選定しているそうです。

 

私の身近にいる国税のOBの先生に話を聞いてみたところ、「自分の時代はそういうことはしていなかった」とおっしゃっていました。税務調査先の選定も、パソコンが発達するにしたがって、より精度が上がっているのかと感じた次第です。

 

「バランスの悪さ」が冒頭で挙げた3つの傾向に表れているようで、セミナーを聞いていて妙に納得した気分になりました。

税務署は、「自分よりも財産を把握している」

つまり、税務署もシステムで管理していますので、自分よりも財産を把握していると思って対策をしたほうがよいといえます。

 

変に隠せば、「仮装隠蔽」になってしまいます。贈与などをする際は契約書などの証拠や、その方の意思をきちんと残しておくことが重要です。

 

今そんな話をすると少し心配に思われるかもしれませんが、当初の申告の際にきちんとチェックをし、相続税の申告にあげるべきものはあげておけば調査がきたとしても問題はありません。

 

「どうせ税務署はわからないから大丈夫だ」と思っていると危険です。ぜひ注意して、申告の際は税理士に相談しましょう。

 

 

■動画でわかる「相続税の税務調査は過去の収入がカギ!?」

 

 

 

辻・本郷税理士法人 シニアパートナー 税理士

山口 拓也

辻・本郷 税理士法人 シニアパートナー 税理士

2007年 辻・本郷 税理士法人 入所
2008年 税理士登録
2017年 埼玉・新潟 エリア長に就任
2018年 執行理事(現・シニアパートナー)に就任
主に資産税や事業承継対策、法人顧問の税務に取り組んでいる。大原簿記学校での非常勤講師としての経験を活かし、金融機関にてお客様向けのセミナーや、行員勉強会の講師も務めている。

著者紹介

連載税理士が解説!「正しい納税の知識」

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