(※写真はイメージです/PIXTA)

会社を経営していると、税務調査がいつくるのか経営者としては気になるところです。周囲の会社に税務調査が入った話などを聞いても、自身の会社で同じように調査されるのかよくわからない、というケースもあるでしょう。ここでは、税務調査で現在強化されている点や税務調査になりやすい会社の特徴などについて解説します。

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近年、税務署が「特に強化している調査」は?

近年の税務調査では、以下のような点の調査が強化されています。

 

■無申告に関する税務調査

税務署では、無申告となっている事業者への調査を特に強化しています。昔は申告された書類を元に調査が行われていたため、申告しない方が調査を免れると考えている人もいましたが、現在では変わってきています。

 

税務署内で共有しているシステムの統合や近代化によって、無申告状態がピックアップされやすくなっているのです。また、第三者からの通報やタレコミによって発覚するケースも、実は少なくありません。

 

無申告の状態でも、数年間は様子を見て調査に来ないケースもありますが、その場合でも既に状況を把握されてしまっている可能性はあるものです。

 

税務調査となれば最低3年、またはそれ以上に渡ってペナルティを受けることにもなりかねないため、早めに申告することが大切です。

 

■消費税に関する税務調査

消費税に関する調査も、税務調査で強化されているものの1つです。本来給与の扱いとするべきところを外注費で計上していないか、不正な消費税還付を受けていないかといった点を重点的にチェックされるでしょう。

 

■海外取引に関する税務調査

海外取引の多い会社も、節税を目的とした不正な海外取引である可能性を疑われやすいため、税務調査が増加してきています。

 

海外取引では、相手国の税務署と情報を交換できる制度や、国外へ送金した際の明細(国外送金等調書)などが利用できるため、より細かくチェックされることとなるでしょう。

 

税務調査だけでなく、税制改正によって以前はできていた節税対策ができなくなっている場合などもあります。また、多額の相続や海外投資、デイトレーディングなど、富裕層に対する税務調査も増加傾向です。

 

税法や税務調査に関する最新動向は常にチェックするか、税理士へ確認するとよいでしょう。

「税務調査になりやすい会社」の特徴

以下のような特徴がある会社は、税務調査の対象となりやすい可能性があります。

【国税局指定の重点業種に該当している】

重点業種とは、過去の申告内容で不正の発覚件数が多く、税務調査のマーク対象として国税局が指定している一部の業種です。

 

具体的には、シェアリングエコノミー、FXやオークションなど、インターネット取引を主とする業種や飲食業、風俗業、建築関連業などが挙げられます。

 

こうした業種に携わっている会社は、他の業種よりも税務調査になりやすい傾向があるでしょう。

【長年税務調査を受けていない】

税務調査は、通常4~5年に1度程度の割合でやって来るとされています。起業して10年以上実地調査(実際に会社を訪問して行う調査)を受けていない場合、いつ税務調査がやって来てもおかしくないと考えた方がよいでしょう。

【前回の税務調査で不正の指摘を受けたことがある】

一度税務調査を受けたことがある企業の場合は、前回の調査で不正を指摘されたかどうかで次回の調査までにかかる期間が変わることがあります。

 

多額の申告漏れや計上ミスなどがあった場合は、改善できているかをチェックするために、短いスパンで再調査を受ける場合もあるからです。

【売上や経費などの数字が大きく変動した】

例年に比べて売上や経費などの数字が大きく変動した会社も、税務調査になりやすい傾向があるでしょう。

 

税務署が管理しているKSKシステムでは、同じ業種や規模の企業と比較したり、前年度や平均値と比較したりすることが可能です。

 

申告した数字に大きな変動があった場合、このシステムでピックアップされてしまう可能性があります。

 

システムの中で異常値として検出されれば、管轄の税務署内で当然目立つ事業者となり、調査対象にも選ばれやすくなるでしょう。

もし税務調査の対象になったら…

会社へ税務調査が入った場合、以下を参考に対策を行いましょう。

 

■税務調査に毅然と対応する

実際に事業が成功して業績が伸びれば、数字は大きく変動します。証明できる書類やデータが残っていれば、税務調査になったとしても、しっかりと説明できるはずです。何ら不正を働いていない場合には、自信を持って毅然と対応することが大切となります。

 

もちろん、調査の妨害や暴言を吐くといった行為は懲罰の対象となるためNGです。しかし、早く帰って欲しくて調査官の言いなりになったり、あいまいな態度を取ったりするのはおすすめしません。

 

なかには不正とは言い切れないグレーなケースや、調査官によって見解が分かれる取引などもあるため、調査に協力はしても言うべきことはしっかりと説明できるようにしたいものです。

 

■税理士へ相談する

税務調査でしっかりと対応する自信がない、何か余計なことを言ってしまいそうで不安という場合には、税務調査の対策について税務調査に強い税理士へ相談してみるとよいでしょう。

 

■相談するべき税理士を選ぶ際のポイント

税理士の中には、決算や申告、記帳管理などの対応はできても、税務調査などへの対応実績がない税理士もいます。

 

現在顧問を依頼している税理士が対応できるか、税務調査のサポートは初めてではないか、サポート実績が少ないような場合は、税務調査に強く多数の実績がある税理士事務所へ相談してみましょう。

 

ほとんどの場合、初回の電話は無料で相談に乗ってもらえることが多いため、話しやすさや対応なども、選ぶ際のポイントとしてチェックしましょう。

 

<まとめ>

税務調査では、消費税や海外取引など、一定の取引や科目に対する調査が強化されています。また、特定の業種や税務調査を受けたかどうか、前回不正があったかどうかといった点でも、税務調査になりやすいかが決まってきます。

 

税務調査になったとしても、不正がなければ毅然と対応することが大切です。必要に応じて税理士へ相談しながら、いつ税務調査になっても安心できるように対策を行っておきましょう。

 

 

税理士法人松本

 

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※本記事は、税理士法人松本のブログより転載したものです。

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