前回は、海上輸送用コンテナを活用したタックスメリットについて説明しました。今回は、投資金額が高額となる「オペレーティングリース」を導入するタイミングについて見ていきまうす。

「特需」といえる利益が出たときに活用すると効果的

オペレーティングリースで活用する資産は、どれも非常に高額です。その分短期で償却できれば単年度で極めて大きな課税の繰延効果がありますから、事業において特需と呼べるような大きな利益が出たときに活用するとより効果的です。ここで、中古飛行機の例を見てみましょう。

 

最大離陸重量が130トン以下で、5.7トンを超える金属製飛行機の法定耐用年数は8年ですが、8年を経過した中古飛行機に簡便法を適用できる場合、耐用年数は8×20%=1.6となり、2年未満ですので2年になります。200%定率法の2年の償却率は1.0です。

 

オペレーティングリースを前提として、この中古飛行機の取得価額が10億円だとすると、1課税期間で10億円−1円の減価償却費を経費や損金に算入でき、個人や法人の所得が10億円も減りますので、効果的なタックスマネジメントができます。

 

個人や法人で、特需などにより一時的に多額の所得が発生し、タックスマネジメントの必要がある場合には、航空機のオペレーティングリース事業の導入を検討してみてもいいかもしれません。

本連載は、2014年4月25日刊行の書籍『スゴい「減価償却」』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
本連載の内容に関しては正確性を期していますが、内容について保証するものではございません。取引等の最終判断に関しては、税理士または税務署に確認するなどして、ご自身の判断でお願いいたします。

スゴい「減価償却」

スゴい「減価償却」

杉本 俊伸+GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

「減価償却で節税」とはよく聞きますが、課税と節税の仕組みを十分に理解して使いこなせている人は多くありません。 減価償却を活用するポイントは、タックスマネジメントです。タックスマネジメントとは、税額や納付のタイミ…

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