なぜタイガーはスイングを変えても勝てたか
■変化対応力により結果は変わる
タイガー・ウッズはスイングを3回も劇的に変えましたが、そのたびに勝っています。しかし、スイングを1回変えただけで結果を出せずに終わる人もいます。才能だけで勝てるほど甘い世界ではないということの明確なエビデンスでしょう。
タイガーもデュバルもゴルフの天才です。デュバルは賞金王を獲得していますし、タイガーを押さえて全英オープンに勝っている選手です。才能だけで勝てるなら、デュバルもタイガーのようにその後も勝ち続けられたはずです。しかし彼は、タイガーのようにはなれませんでした。
タイガーは改良のポリシーを決めて一定期間集中したことで、スイングを変えても高みを維持し続けることができました。
タイガーはいろいろなティーチングやスイングモデルに手を出すのではなく、これだと思った指導者に集中的に指導を受ける姿勢が一貫しています。
スイングを変えることはゴルファーにとっては賭けに近い行為です。「今よりもなんとなく良くなりたい」という曖昧模糊としたビジョンでは、どんな指導を受けても効果は見込めないでしょう。
受験勉強で、自分の長所と短所を知ったうえでテキストや参考書を選んで勉強したほうが効果的な勉強ができるのと似ているのではないでしょうか。いろいろな人にすすめられるままに次々と参考書や問題集を集めても、どこから手をつけていいかわかりません。
ビジネスでも有名講師のセミナーに参加するだけでは、その場限りの話として満足してしまい、何も身につかずに終わります。最悪の場合、余計な知識を得たことで誤った判断基準が身についたりもします。
知識が体系化されず、穴埋め的に自分に足りないものを埋めていく思考や作業では、せいぜいつぎはぎ状態が関の山。良い結果に結びつくことはないでしょう。
■付け焼き刃のリスク
アマチュアゴルファーは、ゴルフ雑誌やユーチューブなどの動画で紹介されているようなティップスを取り入れることがよくあります。それはただの「情報」であって、体系化された「知識」でもなければ、自分をより良くしてくれる「知恵」でもありません。選択肢を比較するのは良いことですが、実際に自分が関心のある指導法を提示している人から直接教わらないと身になるかどうかはわからないものです。
ゴルフ雑誌や動画などのレッスンが間違っているのではありません。でも、それがその人にとって本当に必要な情報であり、必要な技術指導なのかは別問題です。体型や筋力もみな違います。ティップスはあくまでもティップスに過ぎず、すべての人に効果があることを保証するものではありません。
スイングは各パーツが連動しているため、スイングを変える場合、動作を1つ変えると他の動作が3つズレてしまいます。