(画像はイメージです/PIXTA)

ある資産家男性には頭痛のタネがありました。若いときから浪費家で、そのせいで結婚生活まで破綻した娘の存在です。自分が亡くなったあと、相続財産をすぐに使い果たしてしまうのではと思うと、気が気ではありません。父親亡きあと、娘の生活を守る方法はあるのでしょうか。長年にわたり相続案件を幅広く扱ってきた、高島総合法律事務所の代表弁護士、高島秀行氏が実例をもとに解説します。

信託を活用し、毎月一定額を長女に渡してもらう

この鈴木さんの希望に応えることができるのが信託ということとなります。

 

先ほど説明したように、信託銀行等に不動産を信託して、鈴木さんが亡くなったら、不動産の収益から毎月一定額をゆり子さんに支払ってもらうことも可能です。

 

また、長男の太郎さんに信託をして、鈴木さんが亡くなったら、不動産の収益から毎月一定額をゆり子さんに支払ってもらうことも可能です。

 

したがって、選択肢③が正解となります。

 

本件で信託について説明すると、不動産の管理を委託する鈴木さんが「委託者」、管理を頼まれる太郎さんが「受託者」となります。ゆり子さんは、「受託者」ということとなります。

 

信託自体は、委託者と受託者が契約を締結して成立することとなります。ゆり子さんは関与する必要はありません。

 

鈴木さんが亡くなったら、ゆり子さんが毎月一定額の収入を得ることができるとする信託は、遺言に似ていますので、「遺言代用信託」と言われています。

 

今回の場合は、浪費家であるゆり子さんの生活保障(扶養)目的の信託となります。

 

その他に、民事信託は、①高齢になった親の財産管理目的、②相続対策目的、③事業承継目的に利用することができます。

 

※プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

 

高島 秀行
高島総合法律事務所
代表弁護士

 

 

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