(※写真はイメージです/PIXTA)

日本国内ではステータスが高いものの、離婚率が高い職業という説がある医師。「24時間相談受付」「LINEのIDを公開」するという型破りのスタイルで依頼を受けている銀座さいとう法律事務所の代表、齋藤健博弁護士のもとにも、医師のリコカツ(離婚活動)案件が多いといいます。本連載では、実際に齋藤弁護士に寄せられた実例をレポートします。※弁護士の守秘義務遂行のため、一部の内容変更をご了承ください。

浮気夫を泳がせタワマン購入

齋藤弁護士がどのように本件を解決に導いたかを語っていただく前に、2人の軌跡をたどります。

 

あゆみさんの父親や親戚は医師ぞろい。拓也さんは実家がクリニック開業医。2人は似たような環境で育ったからでしょうか。合コンで出会った初日に意気投合し、身体の関係に至ったそうです。

 

その後、交際をスタート。あゆみさんの妊娠を機に結婚します。デキ婚です。2人は子どもが生まれる前に、比較的裕福なファミリー層に人気のエリアに建つタワマンを、ローンで購入しました。その額、2億円! 絵に描いたような幸せな家族に見えます。ところが齋藤弁護士によると、タワマン購入前から夫婦には不穏な空気が漂っていたそうで……。

 

「拓也さんは軽薄な雰囲気をまとってはいますが、顔立ちが整っていて職業は医師。女性にモテないはずがありません。あゆみさんは『自分に気持ちがあるなら遊びもやむなし』と、浮気を黙認していたそうです。ですが、あゆみさんが妊娠6ヵ月のときに知った浮気は違った。拓也さんと同じ病院に勤務する看護師だと、初めて相手を特定できてしまったのです。

 

あゆみさんははらわたが煮え返る思いだったそうですが、彼女が最優先したかったのはタワマンの購入。一旦“泳がせて”おき、タワマン引き渡し日の翌日、拓也さんに不倫の証拠を突きつけたそうです」

 

タワマンを入手した途端に不倫の証拠を提示するとは、愛憎は表裏一体と言うべきか。あゆみさんは、「女性は怒らせると怖い」の代表格だったのか。それとも、その両方を包含していたのか。

院内であらぬ行為に…

真相は定かではありませんが、先の齋藤弁護士のコメントは情報が満載です。情報を解体して整理しておきましょう。「浮気相手を特定できた理由」と、「あゆみさんがタワマン購入にこだわった理由」について聞きました。

 

「浮気相手を特定できたのは、あゆみさんが拓也さんのスマホをこっそりと見たからです。拓也さんに『LINEを見た』と伝えてしまうと、証拠を隠滅されてしまう恐れがあります。私は、正直に不貞に気づいていると伝えるか、探偵社への依頼を視野に入れたほうがいいとアドバイスしました。

 

結局、あゆみさんは探偵社を使わず、拓也さんのスマホに保存されていたLINEをスクリーンショットして、大量に持ち込んできました。

 

病院内であらぬ行為をしている写真や、『愛してるよ』『今すぐしたい』など、生々しい上に動かぬ証拠がそろっていたため、不倫を立証できる状態に至りました」

次ページ裁判での証拠にもなるLINEスクショ

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