(※写真はイメージです/PIXTA)

先の衆議院選挙では、「最低賃金引き上げ」「現金給付」をはじめとした、日本全体の底上げが話題になりました。所得分配を掲げていた岸田文雄政権、今後の行方は? まずは、厚生労働省『令和3年 賃金引上げ等の実態に関する調査』より、日本企業の現状について見ていきましょう。

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「賃金引上げ実態調査」金融業・保険業の辛い現実

10月、各都道府県の最低賃金が更新されました。東京は28円アップの「1,041円」、神奈川も28円アップで「1,040円」となっており、働き手にとっては嬉しい改定です。

 

……とはいえ、「自分のお給料事情は何も変わらない」「むしろ減った」という声も聞かれる日本社会。賃金の現状、世間の実情はどうなっているのでしょうか。

 

厚生労働省『令和3年 賃金引上げ等の実態に関する調査』によると、「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」と答えた企業の割合は80.7%(前年81.5%)。一方、「1人平均賃金を引き下げた・引き下げる」は1.0%(同2.1%)、「賃金の改定を実施しない」は10.1%(同9.5%)となりました。

 

業種別に見ていきましょう。「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」と答えた割合が最も多かったのは、「学術研究、専門・技術サービス業」で93.7%。「不動産業、物品賃貸業」93.2%、「製造業」が90.7%と続きます。

 

一方、「1人平均賃金を引き下げた・引き下げる」と答えた割合が最も多かったのは、「金融業、保険業」が10.6%。他業種に比べダントツの数値です。その後、「生活関連サービス業、娯楽業」5.4%、「宿泊業、飲食サービス業」3.1%と続きます。

 

「賃金の改定を実施しない」では「宿泊業、飲食サービス業」が21.5%最も高くなっており、「サービス業(他に分類されないもの)」21.3%、「運輸業、郵便業」20.8%と続きます。

 

1ヵ月あたりの改定額はいくらなのでしょうか。賃金を引き上げた企業について見てみると、平均賃金の改定額は「5,187円」。賃金を引き下げた企業については、「△4,995円」となっています。業種別にみると、最も改定額が高かったのは「建設業」の6,373円。「学術研究、専門・技術サービス業」5,743円、「鉱業,採石業,砂利採取業」5,733円と続きます。最も改定額が低かったのは「医療、福祉」の2,855円でした。

 

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