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インビザライン希望者に覚えておいてほしいこと
インビザラインを希望する人に絶対に覚えておいていただきたいのは、インビザラインドクターのなかには世界共通のランクがあるということです。
このランクはインビザラインによる症例数をもとに分けられているので「症例数が多い先生のほうが安心できる」といった方などには、医師選びの指針になると思います。矯正認定医であり、かつインビザライン公式の称号をもっている先生を見つけることが望ましいでしょう。
ただし、注意しなければならないのはこの症例数は1年ごとにリセットされるという点です。
例えば、2019年に21症例の実績があったとしても、翌年には11症例に減った場合には「ゴールド・プロバイダー」から「シルバー・プロバイダー」に下がってしまいます。
また、信じがたい話ではありますが、治療計画を自分でつくらず、外部に委託して症例数だけ稼いでいる医師や、治療を途中でやめてしまった患者さんの症例も数に含めている医師もいます。数字だけ見ればランクは上がるので、これをアピールして患者さんに治療をすすめるのです。
「過去の症例をできるだけたくさん見せてください」
こういった罠を見破る方法は簡単です。カウンセリングを受ける際に「過去の症例をできるだけたくさん見せてください」とお願いしてみることです。きれいに改善されている症例写真がたくさん出てきた場合は、一定の水準で治療をしてくれると判断できます。あるいは「治療計画はどなたが立てるんですか」という質問も有効でしょう。自分の言葉でしっかりと治療計画を説明してくれる医師でなければ信用してはいけません。質問したことに対して、少しでも言葉を濁すようであればやめておいたほうがいいと思います。
歯科矯正にかかる期間は決して短くありません。何年も通院するのは意外と大変なので、本人の強い意志がないと矯正は続かないのです。そして、強い意志を維持してもらうためには、医師が患者さんのモチベーションを上げることも大切です。
もしも「この先生は本当に私の口元のことを一緒に考えてくれているのだろうか……」とか「この先生はいつも無愛想で一緒に治療を頑張ってくれる感じがしない……」と少しでも違和感を覚えた瞬間があれば、別の医院を受診することをおすすめします。治療にかかる費用は決して安くはありませんから、後悔しないためにも実績とランク、そして医師の人柄や相性もふまえて、検討してください。
ちなみに、インビザラインはほかの矯正と同様に「保険外治療(自由診療)」のため金額は医院によって異なります。つい「治療費が安いほうがいいや」と考えがちですが、よりよい医療を追求するにはどうしてもコストがかかってしまうものです。
また、腕に自信のある医師であれば、わざわざ技術を安売りして患者さんを集めるようなことはしません。ほかと比べて極端に安い場合は、よい治療をするために必要なコストまで削減している可能性も考えられます。金額だけに左右されずに、自分が本当に求めているものはなんなのかを考えたうえで、納得のいく医院や医師を見つけられることを願っています。
三嶋 一平
医療法人むらつ歯科クリニック勤務医
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