相続税を払えず、税務署が財産を差押え…ピンチの時に申請できる「換価猶予」【税理士の解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

相続税が払えない場合の対処法には、延納や物納があります。しかし、延納の担保や物納に使える財産は限られていて、誰でも延納や物納ができるわけではありません。換金が難しい財産を相続して相続税が払えない場合は、換価の猶予を申請して相続税を分割払いできる場合があります。みていきましょう。

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「換価の猶予」とは?

換価の猶予とは、税務署に差し押さえられた財産の換金を猶予してもらえる制度です。生活の維持や事業の継続に必要な財産については、差し押さえ自体を猶予してもらえる場合があります。

 

期日までに国税を納めることができないときは、税務署に換価の猶予を申請することができます。換価の猶予が認められれば、税金を毎月分割払いで納めていきます。分割払いをしている間は延滞税がかかりますが、本来の税率より減額されます。

 

猶予の期間は最長で1年です。やむをえない理由で猶予の期間内に納税できない場合は、期間の延長が認められます。ただし、すでに猶予された期間とあわせて2年を超えることはできません。

「換価の猶予」が認められる要件

換価の猶予は、次のすべての要件にあてはまる場合に認められます。

 

・国税を一時に納付することにより、事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められること

・納税について誠実な意思を有すると認められること

・換価の猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと

・納付すべき国税の納期限から6ヵ月以内に「換価の猶予申請書」が所轄の税務署に提出されていること

・原則として、猶予を受けようとする金額に相当する担保の提供があること

 

出所:国税庁ホームページ 猶予の申請の手引

 

「事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがある」とは

換価の猶予が認められる要件のうち、「事業の継続を困難にするおそれがある」とは、次のような場合をさします。

 

・不要不急の資産を処分するなど経営を合理化してもなお、国税を一時に納付することで事業を休止・廃止させるおそれがある場合

 

「生活の維持を困難にするおそれがある」とは、次のような場合をさします。

 

・国税を一時に納付することで、必要最低限の生活費を賄う程度の収入が確保できなくなる場合

 

「納税について誠実な意思を有する」とは

「納税について誠実な意思を有する」とは、納税者に国税を優先して納付する姿勢がみられることをさします。納税できない事情や資産の状況、収入の見込みなど、必要事項が提出書類に適切に記載されている必要があります。

 

要件を満たせば担保は不要

換価の猶予では担保の提供が求められますが、次のいずれかにあてはまる場合は、担保の提供は不要です。

 

・猶予される税額が100万円以下の場合(未確定の延滞税を含む)

・猶予の期間が3ヵ月以内である場合

・担保を提供できない特別の事情がある場合(担保として提供できる財産がない場合など)

相続税を専門に取り扱う珍しい税理士事務所。年間1,500件(累計7,000件以上)を超える相続税申告実績は税理士業界でもトップクラスを誇り、中小企業オーナー、医師、地主、会社役員、資産家の顧客層を中心に、低価格で質の高い相続税申告サービスやオーダーメイドの生前対策提案等を行なっている。各種メディアやマスコミから取材実績多数有り(※写真は代表社員 荒巻善宏氏)。

税理士法人チェスター http://chester-tax.com

著者紹介

連載専門の税理士が解説~すぐに役立つ「相続税対策」実践講座

本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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