(※写真はイメージです/PIXTA)

人生100年時代。60歳を過ぎても働くことが「もはや普通」になりつつある昨今ですが、企業側・労働者側双方の実態を見れば、残酷な現実が露わになっています。厚生労働省「令和2年 賃金構造基本調査」などをもとに解説していきます。

「希望する仕事がありそうにない」

人生100年時代、定年延長についても法改正が勧められていますが、企業の反応は芳しくありません。独立行政法人労働政策研究・研修機構が行った高年齢者の雇用に関する調査では、65歳以降の高年齢者について、希望すれば全員働くことができる企業は「全体の2割程度」だったことが報告されています。

 

厚労省『第15回 中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)』では、平成17年10月末時点で50~59歳であった全国の男女を対象として、継続的にアンケートを取っています。

 

令和元年の第15回調査で「仕事をしていない」者について、就業希望の有無を聞いてみたところ、「仕事をしたい」者の割合は16.3%、「仕事をしたくない」者は80.9%となりました。また、「仕事をしたい」が求職活動を「何もしていない」者の割合は12.2%。齢階級別にみると、「64歳」で12.5%、「65~69歳」で13.9%、「70~73歳」で10.8%となりました。

 

求職活動をなぜしないのか? 理由別にみると、「病気・けがのため」の19.3%が最も多かったものの、次いで挙げられたのが「希望する仕事がありそうにない」という答え。全体の17.4%となっています。

 

働きたい気持ちはあっても、「希望する仕事がありそうにない」という現実。日本に生きるサラリーマンたちの未来は、危うくグラついています。

 

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